中国当局は最近、ウイグル人が中国政府による人権侵害を否定する動画を公開しました。 しかしこの動画は政府のプロパガンダキャンペーンの一環であり、ウイグル人の出演は自発的なものではなかったのではないかと報じられました。
中国のプロパガンダに騙されてはいけません。
アメリカに拠点を置く国際メディアの自由亜州電台が、AP通信を引用した記事より。
『ポンペオの反中発言について、「私はポンペオの反中発言に強く反対し、非常に怒っています」などと明確に表現してください。 共産党、国家、新疆への愛を表現してください。』
AP通信が入手した、新疆ウイグル自治区カラマイ市の政府部門に、1月に送られた上層部の文章には、上記のように記されていたそうです。
また文章には、各部門に、マイク・ポンペオ前米国務長官の「反中発言」に対する1分間の動画を撮影するために、北京語に堪能なウイグル人を探すように要請したことが記されていました。
AP通信は、この文章のスクリーンショットは、新疆ウイグル自治区の言語学者から贈られたものだとしています。
AP通信はこの文章の信頼性を独自に確認することができなかったが、言語学者はこの文章を送った直後に警察に逮捕されたことが、彼の複数の友人たちから知らされたそうです。
以上が記事の内容ですが、記事には具体的な動画のURLなどの情報は掲載されていませんでした。しかしYouubeにも中国の動画サイトにも、ウイグル人やカザフ人が新疆ウイグル自治区の「豊かな」生活や「素晴らしい」自然を紹介する動画はたくさんあります。
以前のブログ記事でも紹介しましたが、ウイグル人女性の阿依图娜(アイトゥナ)さんやカザフ人女性の阿伊达依(アイダーイ)さんのYoutubeチャンネルでは、新疆の「素晴らしい生活」の様子を発信しています。
中国ではYoutube、Facebookなど国外のSNSはブロックされていて、中国国内で閲覧することはできませんし、投稿することもできません。
それなのにどうしてアイトゥナさんやアイダーイさんはYoutubeに動画をアップできているのでしょうね。中国政府の承認(指示)の下で行なっているのでしょう。
新疆ウイグル自治区の一部の地域では、地元の学生が新疆ウイグル自治区の生活の素晴らしさを称賛する動画を撮影し、村の共産党委員会に提出することが義務付けられています。
村の共産党委員会は、提出された動画をYoutubeをはじめとする海外のSNSに投稿しています。
動画を作った学生の中には、自分の動画が海外に配信されていることを知らない人もいるようです。
新疆ウイグル自治区の少数民族の生活を称賛するこれらの動画は、中国政府による明らかな対外宣伝工作で、動画に出演している人たちも当局に任命された人だと指摘されています。
西欧諸国では中国政府によるウイグル人ジェノサイドの認定が広がり、2020北京冬季五輪のボイコットの要求も日増しに大きくなっており、中国政府は火消しに躍起になっています。
中国政府の『素晴らしく豊かな新疆』というプロパガンダには騙されないように気をつけましょう。
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参考記事
<自由亜州電台>美联社:中国政府要求维吾尔人录视频否认被虐待
http*://bit.ly/3bMOBiF