国際社会が新疆ウイグル自治区での人権問題に注目する中、中国政府は最近、新疆を舞台にした歌と踊りの映画を公開しました。
中国で3月28日に、新疆ウイグル自治区を舞台にした歌と踊りのミュージカル映画が公開されたと、台湾の中央通訊社が報じました。
この映画はハリウッド映画の「La La Land」やインド映画の「Baahubali: The Beginnin」に触発されたもので、「新疆の全ての民族の幸せで美しい生活」を表現していると、中国公式メディアの環球時報は紹介しています。
「歌声的翅膀」と題されたこの映画は、新疆ウイグル自治区党委員会宣伝部が企画・立案し、新疆ウイグル自治区文化観光部が支援し、天山映画制作工房が制作・撮影したものです。
中国のサイトで予告編を見ることができ、映画紹介では「3人の民族の異なる若いミュージシャンが、新疆ウイグル自治区を旅する過程で、さまざまな民族の豊かな音楽とダンスに触れて吸収し、最終的にムスタグアタ山の前で新曲『大地の歌』を歌い音楽の夢を実現した」となっています。
予告編は2分27秒しかありませんが、草原で若い男女のグループが歌って踊る様子が描かれています。新疆ウイグル自治区の人口の半分近くがイスラム教徒であるにもかかわらず、女性が誰もヒジャーブ(スカーフ)を着けていないことに違和感を感じます。
昨年6月の米国でのウイグル人権法成立以後、中国共産党が新疆ウイグル自治区のウイグル人など少数民族に対して大量虐殺を行っているとする、欧米からの非難や制裁に対抗するため、中国は広報活動に力を入れています。
Youtubeでもウイグル人やカザフ人がいかに良い生活をしているのか宣伝する動画が次々とアップされています。
Youtubeは中国内ではブロックされていて、閲覧することはできませんので、これらの動画は中国の「壮大な対外宣伝」の一環であることは明らかです。
映画「歌声的翅膀」を上映することで、中国政府はウイグル人に対する虐待の疑いを国内向けに全面的に否定したいのでしょう。
中国政府は、新疆は社会的結束と経済発展の楽園であり、国の善意の介入により長年の暴力的過激主義から解放されたと主張しています。
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参考記事
<中央通訊社>中国推新疆歌舞片 官媒称灵感来自La La Land
http*://bit.ly/3rKzThj
歌声的翅膀电影
http*://www.nmgk.com/vod/18830.html