欧州連合(EU)は22日、新疆ウイグル自治区の人権問題で中国を制裁する正式な発表を行いました。 アメリカ、イギリス、カナダも追随し、オーストラリアとニュージーランドは支持を表明しました。
世界新聞網や自由亜州電台など複数のメディアが報じたところによりますと、EUは3月22日に人権侵害を理由に、中国、ミャンマー、ロシアに対する制裁措置を採択しました。
ボレル欧州連合外交安全保障上級代表(外相)
EUは、新疆ウイグル自治区のイスラム教徒であるウイグル人の人権を侵害したとして、中国の4人の政府関係者と1つの機関に対する制裁措置を正式に採択しました。
EUが中国に制裁を加えるのは、1989年6月4日の天安門事件以来30年ぶりのことです。
EUに続き英国とカナダも制裁を科すことを公表し、米国は昨年のウイグル人権法での制裁が今も有効であると公表しました。
ブリンケン米国務長官
オーストラリアとニュージーランドの外相は、「新疆ウイグル自治区でのウイグル人や少数民族に対する深刻な迫害に関する信憑性の高い報告が増えている。EU、英国、カナダ、米国が発表した措置を支持する」との共同声明を発表しました。
EUの制裁対象リストは、以下の4名と1機関で、制裁内容は資産凍結と渡航禁止です。
朱海倫(新疆政法委員会元書記)
王俊正(自治区党委員会副書記、新疆生産建設隊党委員会書記)
王明山(自治区党委員会常務委員)
陳明国(自治区公安部部長の陳明国)
以上4名。
新疆生産建設隊公安局の1機関
これに対応して中国は、中国の主権と利益を著しく損ない、欧州側で悪意を持って嘘や偽りの情報を流したとして、8人のEU議員、2人の学者、4つの団体に制裁を科すと発表しました。
中国の制裁リストは以下の通りで、当該個人およびその家族は、中国本土および香港・マカオへの入国が禁止され、当該個人およびその関連企業・機関は、中国との取引を制限されます。
欧州議員8名:
Reinhard Bütikofer(ドイツ)、Michael Gahler(ドイツ)、Raphaël Glucksmann(フランス)、Ilhan Kyuchyuk(フランス)、Miriam Lexmann(スロヴァキア)、Sjoerd Wiemer Sjoerdsma(オランダ)、Samuel Cogolati(ベルギー)、Dovile Sakaliene(リトアニア)
学者2名:
Adrian Zenz(ドイツ)とBjorn Jerden(スウェーデン)
4つの団体:
欧州議会の人権小委員会、
メルカトールのドイツ中国研究センター、
デンマーク民主連合財団です。
中国がEUへの報復制裁を発表した後に、オランダは駐中国大使を召喚し、欧州議会やドイツ、ベルギーなどの外相は中国の報復措置を拒否しました。
世界ウィグル会議のドルクン・イサ会長は、EUの重要な一歩に感謝する声明を発表し、EUの制裁は中国共産党に対して、もはやウィグル人に対するジェノサイドを平然と行うことはできないという明確なメッセージを送っていると指摘しました。 また、他の国際社会に対しても、EUのリードに従うよう求めています。
中国政府は、新疆ウイグル自治区のウイグル人などの少数民族に対して、信教の自由の制限、大量の監視、大量の超法規的拘束、強制労働、強制不妊手術など、深刻な人権侵害を行っていると指摘されています。
このような中国のウイグル人迫害に対して、欧米各国の中国制裁が進む中、日本でもウイグル人人権迫害に抗議する声が大きくなってくれることを望みます。
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参考記事
<世界新聞網>稱中「種族滅絕」 美聯合英加歐制裁新疆官員
http*://bit.ly/2Pi3stc
<自由亜州電台>欧盟制裁中国侵犯新疆人权官员 中国愤怒并反制裁
http*://bit.ly/2NKmTKI
<徳国之声>美加英欧联合制裁新疆官员 澳纽发声明站队
http*://bit.ly/3tPVdU2
<多維新聞>欧美英加协同制裁 对抗中国岂能只用花拳绣腿
http*://bit.ly/2P4nszN