カナダで人質として拘束されている2人のカナダ人の裁判が、それぞれ19日に丹東で、22日には北京で行われました。裁判は非公開で行われ、駐中国カナダ大使も傍聴できませんでした。
中国当局に拘束されているのは、ビジネスマンのマイケル・スペーバー氏と外交官のマイケル・ゴブリグ氏の2名で、スパイ容疑で昨年6月に起訴されていました。
スペーバー氏の裁判は、19日に中国東北部の遼寧省丹東で行われ、ゴブリグ氏の裁判は、22日に北京で行われました。
コブリグ氏の妻であるヴィナ・ナジブラ氏は、カナダ、米国、中国に対して、コブリグ氏とスペーバー氏の自由を取り戻すための外交的解決策を求めるキャンペーンを展開しています。
北京で行われたゴブリグ氏の裁判には、26カ国28人の外交官が裁判所の外に集まったと報じられています。
両名は、スパイ行為と外国への違法な国家機密提供を行った容疑で裁かれているため、事件は国家機密に関わるものであり、法律に基づいて非公開で審理を行うと発表されています。
このために、カナダからの再三の要望にもかかわらず、駐中国カナダ大使の裁判傍聴は拒否されました。
カナダのトルドー首相は、スペーバー氏とコブリグ氏が中国によって恣意的に逮捕されたことは全く受け入れられないと述べ、彼らが直面している司法プロセスは透明性に全く欠けていると語っています。
トルドー首相はまた、これが2人のカナダ人だけの問題ではないことを強調し、中国が行ってきた恣意的な拘束や強圧的な外交についての問題だと指摘しました。
コブリグ氏の妻であるヴィナ・ナジブラ氏は、カナダ政府が2人の釈放の必要性を引き続き強く要求することを望んでいると述べ、中国当局が弁護士の派遣や領事訪問を受け入れるよう求めています。
裁判所は「判決は後日」と発表していますが、中国の裁判の有罪率は99%以上と言われています。
2018年12月1日に、ファーウェイ幹部の孟晩舟が、トランジットで立ち寄ったカナダ・バンクーバー空港で、米国政府の依頼を受けたカナダ当局によって逮捕されました。
孟晩舟の逮捕容疑は、イランとの違法取引を行うため、米金融機関に虚偽の説明をした疑いです。
カナダのブリティッシュコロンビア州最高裁判所では、孟晩舟の身柄を米国に引き渡すかどうか審理中です。
孟晩舟逮捕から数日後に駐中国のマイケル・スペーバー氏とマイケル・ゴブリグ氏がスパイ容疑で中国当局に逮捕拘束されました。
スペーバー氏とゴブリグ氏の逮捕は、「人質外交」と国際世論から非難されていますが、中国当局は孟晩舟逮捕と2名のカナダ人逮捕の関連性を否定しています。
2名のカナダ人にどのような判決が下されるのか、孟晩舟がいつ米国に引き渡されるのか、それとも釈放されるのか、判決に注目していきます。
孟晩舟が米国で裁かれた場合には、懲役30年以上とも言われています。
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参考記事
<世界新聞網>康明凱案開審|26國外交官聚集北京 妻子盼政府實際行動
http*://bit.ly/3c9wiEX
<徳国之声>康明凯将受审 妻子盼政府实际行动
http*://bit.ly/2P0QH6z