黄大仙の blog

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中国の出生率が43年ぶりの低水準に低下  人口のマイナス成長が懸念される

  中国では近年、計画生育政策の緩和が相次いでいますが、低出生率を覆すことはできず、2020年には出生率が初めて10%を下回り、自然人口増加率は1.45%と、いずれも改革開放以来の最低値を更新しています。

 

  米国国営の国際メディアの美國之音の記事より。

 

  中国の人口の自然増加率は、海外からは自然増加の限界に来ていると見られており、 中国国内の学者でさえ、中国は実際に人口増加ゼロになったと考えています。

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三人子制作にも関わらず、出生率が低下を続ける中国


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  中国統計局が11月中旬に発表した「中国統計年鑑2021」によると、2020年の全国の出生率8.52%となり、1978年以来の低水準となります。自然人口増加率は1.45%で、これも1978年以降では過去最低となっています。

 

  中国の合計特殊出生率1人の女性が産む子供の平均数)は、一人っ子政策の効果もあり、1991年に人口置き換え水準(出生率と死亡率がほぼ等しく、総人口が増加も減少もしない状態)まで低下しました。

 

  それ以来、30年間に渡って人口置き換え水準を下回る状態が続いています。

 

  出産可能年齢の女性は、2009年のピーク時には約38,000万人でしたが、現在では34,000万人に減っています。 

 

  近年、中国では計画生育政策の緩和が進められていますが、陸軍氏は、多くの中国人の考え方は変わっていないと述べています。

 

  ニューヨークを拠点とする慈善団体「北京益仁平センター」の創設者である陸軍氏は、「中国の人々の間では、子供の数が多いよりも少ない方が良いという認識がしばしばあり、この考えは根深いものがあります。」と述べています。

 

  「今日、当局は急に「出産を奨励する」と言い出しましたが、人々に深く根付いたこの考えを変えるのは難しいことです。 若者が子供を持つことを考えるとき、最初に頭に浮かぶのは、過去数十年間の一人っ子という共産主義プロパガンダの影響の一部かもしれません。」

 

 

  高い生活コストが子供を産むことを躊躇させている。

 

  住宅価格の高騰や医療費の高騰により、多くの中国人が子供を持つことを躊躇しています。

 

  陸軍氏は、「住宅価格が特にバカ高くなっていて、若い夫婦が2人目、3人目と子供を増やしていくためには、今の家では住めなくなり、マンションを買うにしても、借りるにしても、負担が非常に大きくなります。」と述べています。

 

  陸軍氏は、子供の学校についても、「親はみんな自分の子供を良い学校に通わせたいと思っているので、そうなると学区内の住宅を買わなければならない。」

 

 

  また、保育施設が圧倒的に足りていませんが、これは保育施設の開設には厳しい審査があり、民間資本が幼稚園保育所を開設しようとしても、必ず行政の認可を受けなければなりません。

 

  託児所の開設にかかる費用は高く、最終的には子どもたちの親が負担しなくてはなりません。

 

 

  広東省人口発展研究所の董玉成所長は、新型コロナ流行によって若者の経済的プレッシャーが増し、人々の生殖活動に影響が出ていること、また、流行によってもたらされた社会活動の制限が社会生活や結婚にまで影響を及ぼしていることを指摘しています。

 

  20215月、中国共産党中央委員会政治局は、高齢化社会に対応するため、夫婦で3人の子どもを産むことができる政策や支援策を実施することを決定しました。

 

  中国の国家衛生委員会は、3人っ子政策は単に2人から3人への量的な調整ではなく、この施策は、国民の関心事に焦点を当て、結婚、出産、子育て、教育などを総合的に考え、国民の関心事を効果的に解決し、国民の潜在的な能力を引き出すことを目的としていると説明しています。

 

  陸軍氏は、「1人か2人の子どもを持つことの負担はすでに非常に重く、3人の子どもを育てる余裕のある家庭はほとんどありません。」と指摘しています。

 

 

  中国は人口のマイナス成長に踏み込んだのではないか

 

  中国メディアには、今年2021年の中国の出生数は2020年よりもさらに少なく、おそらく1,000万人程度にとどまるのではないかと指摘する報道もあります。

 

  2019年の中国の死亡者数は998万人で、高齢化傾向が進む中、2020年の死亡者数はすでに1,000万人を超えると考えられており、中国は、専門家が予測していた2027年から2030年よりもはるかに早く、今後12年で人口がマイナス成長の時代に突入する可能性が高いと考えられます。

 

  一方、陸軍氏は、公式の数字はあくまでも参考程度にしかならないと考えています。

 

  このような当局の統計や調査の数字は、実はまったく信用できないもので、出生率の数値が操作されている可能性も非常に高いと陸軍氏は指摘します。

 

  「 国勢調査の過程で、一部の地方自治体が、国からの公的な地位や補助金を得るために、出生数や実際の人口を誤魔化し、実際の出生数はさらに少なくなることがあります。」

 

  中国統計局は、2000年から2019年の間に中国の総人口が13,000万人以上増加したと発表していました。

 

  しかし以前から中国の人口政策に関心を持ち、公式統計の信憑性に疑問を投げかけているウィスコンシン大学の研究者の李福仙氏は、この期間の中国の実質的な人口増加は約4,000万人だと述べました。

 

 

  中国の人口マイナス成長は、労働力の規模や生産性などに影響を及ぼし、人口を急激に減らしすぎると中国のGDP成長率に深刻な影響を与えると指摘するアナリストもいます。

 

 

  『人口14億人の巨大市場』を目当てに、中国に進出する企業は多くありますが、充て外れに終わらないように祈るばかりです。

 

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参考記事

<美國之音>中国出生率跌至43年来最低 人口负增长迫在眉睫

http*://bit.ly/3lh29ba