中国国家統計局の発表によりますと、2020年の農民工(出稼ぎ労働者)は2億8560万人で前年より517万人(1.8%)減少し、平均月収は4,072元(約6万9千円)で前年比2.8%増となりました。
中国国家統計局は4月30日に、「2020年農民工モニタリング調査報告書」を発表しました。
報告書によりますと、2020年の農民工の総数は2億8560万人で、前年より517万人(1.8%)減少しました。
公式の定義によりますと、農民工とは、戸籍がまだ農村部にあり、1年の間に6カ月以上、地元や外地の非農業系の産業に従事している人を指します。 彼らは中国の草の根的な労働力となっています。
2億8560万人の農民工のうち、外地で働く農民工は1億6,959万人で、前年より466万人減少(2.7%減)し、地元で働く農民工は1億1,601万人で、前年より51万人減少(0.4%減)となりました。
また、2020年末現在で大都市部に住んでいた農民工は、1億3,101万人で、前年より399万人少なく(3.0%減)なりました。昨今の経済の落ち込みで大都市部にいた農民工が農村部に戻っています。
報告書によりますと、農民工の平均年齢は41.4歳となり、前年より0.6歳高くなりました。
年齢構成を見ると、40歳以下の農民工の割合は49.4%で、前年よりも1.2ポイント減少したのに対して、50歳以上の農民工の割合は26.4%で前年より1.8ポイント増加し、その割合は引き続き増加しています。
学歴構成を見ると、学校教育を受けていない人は1%、小卒14.7%、中卒55.4%、高卒16.7%、大学以上12.2%でした。大学以上の教育を受けた農民工の割合は、前年に比べて1.1ポイント増加しました。
収入面では、2020年の農民工の平均月収は4072元(約6万9千円)で、前年よりも110元(2.8%)増加しました。
その中で、製造業の農民工の平均月収は4,096元で、前年比138元(3.5%)の増加となり、最も高い伸び率を示しました。
最も高い収入を得たのは運輸・倉庫業の農民工で、平均月収は4,814元で、前年比147元(3.1%)の増加となりました。
報告書では都市で働く農民工の意識調査の結果も掲載しており、都市で働く農民工の41.4%が、自分が住んでいる都市の「地元民」であると考えており、前年から1.4ポイント上昇しました。
都市の規模が小さいほど、農民工は自分の住む都市への帰属意識が強く、人口100万人から300万人の中小都市に住む農民工の帰属意識が最も高くなっています。
李克強首相は、昨年5月に「中国では6億人が月に1,000元しか稼げない」と公言していました。約3億人の農民工は、常に所得ピラミッドの底辺に位置しています。
彼らの雇用と収入は不安定な状態にあり、昨年は新型コロナの流行により、多くの中小企業が閉鎖され、農民工の就職がさらに困難になり、多くの移民労働者が不安定な状況に陥ったこともありました。
そのため、農民工の平均月収が4,000元を超えたと公式発表されると、ネットユーザーが一気に爆発しました。
このような低所得では、単に農民工が大都市で生活することが困難なだけであり、一律に貧困をなくすというのは嘘だと批判する人もいれば、自分の所得が出稼ぎ労働者に及ばないことを嘆き、公式データの信憑性を疑問視する人もいました。
『すみません、また平均値を下げてしまいました』
『仕事を辞めて、田舎で農業をすればいいのか』
『私の知る限り、ここの大学の先生の多くはそんなにたくさんの給料をもらっていないわ』
『農家の月収はマジで千元、もしかしたら千元もないかもしれない』
『社会保険年金保険などを差し引いて3,500元くらいになり、飲食費や家賃を差し引いたら2,000元は頭を抱えて笑ってしまう。』
中国国家統計局の統計は、一般市民の生活実感とは一致していないようです。
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参考記事
<中央通訊社>中国农民工2.85亿人 月均收入1.75万元
http*://bit.ly/3u63W5b
<百度新聞>2020年中国农民工减少逾500万人 从事制造业收入涨最快
http*://bit.ly/3nMn1Hm
<希望之声>官方公布中国农民工月收入 网友:我拖后腿了
http*://bit.ly/3xITqDk