今年7月18日、中国浙江省杭州市で走行中の電動バイクのバッテリーが爆発し、親子3人が負傷するという事件が発生しました。この事故で大火傷を負った7歳の少女が治療の甲斐なく12月11日に亡くなりました。
中国のYahoo Newsにあたる百度新聞の記事より。
これまでの報道によると事件当日、魏顺利さんは娘の課外授業用の本を買うために解放路にある新華書店に行こうとしていました。
魏顺利さんが7歳の娘の琪琪ちゃんを電動バイクの後部座席に乗せ、妻の翟小娟さんはもう一台の電動バイクで書店に向かっていました。
2台のバイクが玉皇山路を走行中の、魏顺利さんの運転する電動バイクのバッテリーが突然に爆発炎上し、魏顺利と7歳の娘の琪琪ちゃんが大火傷を負い、消火活動をした妻の翟小娟さんも軽い火傷を追いました。
事故当時は、父娘の火傷は全身の90%を超えるものの、生命に別状は無いと伝えられていましたが、琪琪ちゃんは12月11日の午後6時に息を引き取りました。
琪琪ちゃんは事故後、一度だけ意識を取り戻し、13日には新たな皮膚移植手術を控える中での悲しい知らせとなってしまいました。
父親の魏顺利さんは、90%以上の火傷を負い、肺破裂損傷、30%の肺圧迫、硬膜外出血の疑いを伴って病院に送られ、人工呼吸器が使われていました。
魏顺利さんは、2ヶ月間の治療とケアを経て、9月22日に集中治療室からリハビリテーション病院に移されており、退院まではさらに2~3か月を要すると見られています。
この事件は杭州で広く関心をよび、多くの人々の救いの手が差し伸べられ、ネットを通じて200万元(約3600万円)が集まりました。
事故後、杭州消防救助分遣隊は、今回の電気自動車事故の予備的判断として、火災の原因と電気自動車のリチウム電池の故障が関連していると伝えました。
母親の翟小娟さんによると、当時夫婦が乗っていた2台の車は同じ店で買ったもので、販売店では、バイク本体とバッテリーは別々に販売されており、購入者はメーカーオリジナルのバッテリーではなく、安い別メーカー製のバッテリーを購入して取り付けていたことがわかりました。
この販売店は個人経営で、「勝手に」電動バイクのバッテリーを別の安いバッテリーに取り替えて、販売価格を安くしたり、容量の大きなバッテリーに換えて走行距離を伸ばしたりしていました。
しかもメーカーオリジナルのバッテリーは、鉛蓄電池だったのに、販売店で取り付けたバッテリーはリチウムイオン電池でした。
リチウムイオン電池は、エネルギー密度が高く、急速充放電が可能など利点が多いのですが、使用している電解質は、「揮発性が高く可燃性である」「液漏れのおそれがある」などの不安要素に加え、「製造工程での不純物(ごみ)の混入」や「制御回路の不具合」など複合原因によって、発熱・発火・爆発事故を起こすことがあります。
琪琪ちゃんのご冥福を祈ると共に、魏顺利さんの1日も早い快復を祈ります。
参考記事
<百度新聞>浙江杭州电瓶车自燃爆炸,父女2人90%以上烧伤,7岁女儿不幸离世
https*//bit.ly/3s6nPe2
<百度新聞>杭州电动车骑行中发生爆炸 被烧伤7岁小女孩今晨离世
http*://bit.ly/3ypKDqr
<百度新聞>爱心善款已超200万元,杭州电瓶车烧伤父女还在抢救!专家分析起火原因
http*://bit.ly/30jc3Sl