米政府は、チベット問題担当特別調整官にウズラ・ゼヤ国務次官(民主主義・人権担当)を任命しました。亡命チベットの精神的指導者であるダライ・ラマ14世は、ゼヤ米国務副長官に祝福のの書簡を送り、中国は内政干渉に当たると反発しました。
米国国営の 国際的メディアの美國之音の記事より。
アメリカ東部時間の12月20日(日本時間21日)に、インド系アメリカ人のゼヤ国務副長官(民主主義・人権担当)が、チベット問題担当特別調整官に任命されました。
ブリンケン国務長官は、「ゼヤ国務副長官が、人権侵害に直面し、生活や環境への挑戦に直面しているチベット人の宗教的、文化的、言語的遺産を保護するための米国の努力をリードする。」と述べ、ゼヤ国務副長官への期待を表しました。
ブリンケン国務長官は、「チベットの精神的指導者であるダライ・ラマ、あるいは民主的に選ばれたチベット人指導者と、中国との間の対話を促進することを目指す」とも述べています。
ゼヤは今年7月14日に、米国国務省の文民安全保障・民主主義・人権担当国務次官に就任しました。前政権からの慣例に従い、人権担当国務次官がチベット問題特別調整官を兼任することになりました。
チベットの精神的指導者であるダライ・ラマ14世は、ゼヤ国務副長官に、チベット特別調整官への就任を祝し、チベット人の状況改善に大きく貢献することを期待する旨の書簡を送りました。
ダライ・ラマは書簡の中で、「アメリカの継続的かつ一貫した支援は、自由と尊厳を求めて平和的に闘うチベットの人々にとって大きな励みとなっている 」と述べています。
ダライ・ラマは続けて、「国際社会がチベット人の平和的闘争に幅広い関心をもち、支援を与えていること、非暴力と思いやりのチベット文化が世界に貢献する大きな可能性を持っている」と述べています。
ダライ・ラマは書簡の最後に、「貴女とお会いして、貴女の支援や取り組みが有益となるような問題について意見交換できることを楽しみにしています。私たちが選んだチベットの指導者たちと密接に連絡を取り合うことになると思います。」と述べています。
中国外交部の趙立堅報道官は定例記者会見で、米国がチベット問題特別調整官を任命したことに対し、次のように述べました。
「チベットは平和的解放から70年、社会の調和、経済の繁栄、宗教・文化の隆盛を享受し、人々は幸福に、健やかに暮らしている」
「 米国がチベットを心配する必要はない。米国の政治家は、他にすることがないのであれば、米国内の深刻な人種差別や人権問題にもっと目を向けるべきだろう。」
「米国が歴史上行ってきたインディアンに対する政策は、長い間事実上のジェノサイドであった。米国の少数民族は長い間、不正や人種差別、暴力犯罪に苦しんできた。」
「 米国で流行した新型コロナ肺炎による感染者と死亡者の数は世界で最も多い。米国の政治家は自国の国民の生命と健康さえ守れないのに、どうしてチベットの人権保護を語ることができるのか?」
中国政府の言い分はさすがですね。自らの人権侵害も、新型コロナの発生の責任も棚に上げ、相手の不手際だけを責めています。
こういう詭弁に納得してしまう日本人も多いんでしょうね。
参考記事
<美國之音>达赖喇嘛:美国的西藏问题特别协调员将有助于改善西藏的状况
http*://bit.ly/3ejNbxf
<観察者網>美国任命所谓“西藏事务特别协调员”,驻美使馆警告:勿插手中国内政
http*://bit.ly/3syiZXe
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