中国では、昨年9月に各地で前触れのない停電が発生し、生産に影響が出ました。 その後、中国当局は今年の元旦から江蘇省や山東省などの化学工業を主力とする省が電力価格の調整を発表し、ピーク時には最大で70%もの値上げを行いました。
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米国に拠点を置く、世界中の華人向けメディアの世界新聞網の記事より。
元旦以後、江蘇省、山東省、陝西省、山西省、雲南省などの地域で電気料金の調整が行われました。これらの地域で盛んな化学工業に直接影響をもたらすとされています。
中国メディアの報道によると、電力不足と電気料金の上昇は企業の運営コストを増加させ、稼働率を低下させる一方、主要な化学工業地域での電力価格の同時上昇は、経済全体への影響も無視できません。
江蘇省当局は、315kVA以上の大型産業向けに、夏と冬にピーク料金制を実施し、夏は午前と午後に1時間、冬は午前と夕方に2時間、ピーク料金制に基づき、電気料金を20%増としました。
山東省では、商工業用電力価格は基準価格の50%から170%の間で変動し、ピーク時には70%増、ロータイムには50%減としました。
甘粛省、雲南省では、住宅用と農業用電力は、ピーク時と谷間の時間で基準価格の50%増減します。
江西省は、ピーク時には基準価格より50%引き上げられ、 山西省では、ピーク時の料金が60%引き上げられます。
電力危機を緩和するため昨年9月29日、中国の国家発展改革委員会は、石炭火力発電について「準価格制」と「上下に変動する」市場ベースの価格メカニズムを厳格に実施し、より多くの電力が市場で取引されるようにすることで「電力需給とコストの増減を合理的に価格に反映する」と発表しています。
中国の電力不足は、あまり日本では報じられませんが、工場が停止に追い込まれ、コロナ後の経済回復に暗雲が立ち込めています。
続報が全く報じられなくなった、広東省の台山原発での事故のこともあり、中国政府がどうやって電力不足を乗り切るのか、お手並み拝見といきましょう。
一般国民が泣かされるんだろうな。
参考記事
<世界新聞網>中国江苏、山东等化工大省 同步涨电费 最高70%
http*://bit.ly/3qJlsvG