台湾は現在、ウクライナ戦争により厳戒態勢にあり、中国がこの機に乗じて行動を起こすことを恐れています。ジョー・バイデン米大統領と中国の習近平国家主席とが米中首脳会談を開く数時間前に、中国海軍の空母『山東』が台湾海峡を通過して台湾を威嚇しました。
ドイツ国営の国際放送メディアである徳国之声の記事より。
台湾国防部は3月18日、米中首脳会談の数時間前に、中国海軍の空母が同日台湾海峡を航行したことを確認しました。
民主的な政府に統治されている台湾を自国の領土と主張する中国は、過去数年間にわたって主権を主張するために台湾周辺での軍事活動を強化し、台湾政府と米国政府の双方に警告を発しています。
情報筋によりますと、18日午前10時半ごろ、中国海軍の空母『山東』が台湾が支配する金門島の近くを北上しているのが確認されました。
空母『山東』の甲板には航空機はなく、背後には、米軍の軍艦アーレイバーク級誘導ミサイル駆逐艦であるUSSラルフジョンソンが追跡していました。
金門島は中国福建省廈門(アモイ)市の沖合の台湾領の島で、台湾防衛の最前線の役割を担っています。
台湾軍も軍艦を派遣して状況を監視していました。
台湾国防部はその後、短い声明の中でこのニュースを確認したが、詳細は明らかにせず、台湾海峡周辺の海・空域における中国の圧力を十分に認識していることだけを強調しました。
米海軍のスポークスマン、マーク・ラングフォード中尉は、USSラルフ・ジョンソンは「国際法に従い、18日に国際水域で台湾海峡の定期通過を実施した」と述べています。
今回の空母山東の航行は、米中首脳会談の約12時間前に行われたもので、情報筋によると従来は夜間に行われており、昼間に行われたことは極めて異例のことであり、「挑発的」であると指摘されています。
中国外交部の趙立堅報道官は18日の定例記者会見で、「山東は日常的な訓練をおこなったもの。中米首脳会談と結びつけてはいけない」と述べました。
台湾政府は、中国がウクライナ戦争に便乗して行動を起こすことを警戒していますが、中国が何らかの軍事攻撃に出ようとしている気配は今の所ありません。
中国政府は、台湾問題は米国との関係において最も敏感で重要な問題であると述べています。
台湾は米国と正式な国交を結んでいませんが、米国は台湾にとって最も重要な支援国であり、武器供給国でもあります。
台湾政府は中国の主権主張を拒否し、自由と民主主義を守る決意を繰り返し表明してきました。
中国軍はほぼ毎日台湾の防空識別圏に軍用機を侵入させており、台湾空軍も飛来する中国軍機を抑止するために、連日戦闘機をスクランブル発進させています。
ロシアによるウクライナ侵略戦争は、極東アジアにも飛び火しかねない危険性を潜めていることを認識しないといけません。
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参考記事
<徳国之声>美中元首通话前夕 山东舰通过台湾海峡
http*://bit.ly/3IsrCHg
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