黄大仙の blog

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中国の若年層失業率は過去最高の18.2%、専門家は補助金による救済を提案

中国国家統計局の発表によると、都市部の1624歳の若年層の4月の失業率が過去最高水準の18.2%に達したことが分かりました。新型コロナの深刻な流行により中国経済の下押し圧力が強まる中、大学新卒を中心とした若者の雇用が不安定になっています。

  米国に拠点を置き、中国、台湾、香港、マカオの政治、経済、社会、生活、金融などのニュースを世界中の華人向けに発信するメディアの世界新聞網の記事より。

新型コロナ流行と共に就職氷河期を迎えた中国社会

  中国国家統計局2022516日に発表したデータによると、4月の全国都市部調査失業率は前月比0.3ポイント上昇の6.1%で、20203月以降過去最高となり、16歳から24歳の若年層の調査失業率は18.2%で前月比2.2ポイント上昇、過去最高となった。

 

  首都経済貿易大学中国新雇用形態研究センターの張成剛所長は、失業率の上昇は主に感染拡大と各地での封鎖政策が原因であると述べています。

 

  間も無く迎える今年の卒業シーズンでは、高等教育機関の卒業生は1076万人に達する見込みです。(中国の卒業式は7月がピーク)

 

  復旦大学グローバル科学イノベーション人材育成センター主任の姚凱は、雇用吸収に最も貢献してきた中小企業がゼロコロナ対策で大きな打撃を受けて雇用能力が低下し、需要と供給のバランスに大きな影響を与えていると注意を呼び掛けました。

 

  姚凱主任は、就職が遅れている卒業生にも、新卒と同じように就職活動のための資格やサービスを受けられるようにするべきであると主張しています。

 

  また、姚凱主任は、雇用を増やすためには、市場の消費能力を大きく、強くすることが基本だとし、感染流行地での消費券発行などを通じて市場の消費能力を高め、雇用促進効果を得ることも検討されるべきだと述べました。

 

  首都経済貿易大学中国新雇用形態研究センターの張成剛所長は、すでに導入されている政策に加えて、感染流行の影響を受けて収入がない中小企業や柔軟な雇用者に、一定の基本補償を直接与えるべきであると述べました。

 

  中国人民大学教育学院の程芳平教授によると、「卒業と同時に失業」という問題は悪化しているといいます。

 

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  中国の第一四半期のGDP成長率が4.8%と低調でしたが、失業率も全体で6.1%、若年層に限ってみると18.2%とほぼ5人に1人が失業している状況です。

 

  この失業率には裏があって、『柔軟な雇用(flexible employment)』の労働者は失業者にカウントされません。

 

  『柔軟な雇用』とは、パートタイム労働者、季節労働者、労働契約労働者、労働派遣労働者、自営業者、個人的な立場で専門的な活動に従事するフリーランサー、ファミリーヘルパー(家族が生産やビジネス活動に従事するのを助ける人)のことで、収入が安定せず、社会保障もほとんどありません。

 

  『柔軟な雇用』は実質収入ゼロであっても失業者にはカウントされず、2021年には2億人に達したとされており、前年に比べて3倍近くに増加したとされています。

 

  こうしたことを考慮すると、中国の実際の失業率はもっと大きいと推測されます。

 

  元々経済成長が鈍化していたところに、2020年からの新型コロナの流行に襲われ、ガタガタになった経済を、中国政府がどのように成長を取り戻すのか注目したいです。

参考記事

<世界新聞網>中国青年失业率18.2%创新高 专家建议发补贴抢救

http*://bit.ly/3wvXuIr

<自由亜州電台>北大博士当城管:千万毕业生的就业寒冬来临

http*://bit.ly/3ly3D08