台湾の蔡英文総統は31日、台湾を突然訪問した超党派の米上院議員団と総統府で会談し、米台関係や貿易・投資問題について意見交換を行いました。中国外交部の趙立堅報道官は31日の定例記者会見で、「台湾は中国の省だ、総統などというものは存在しない!」と怒鳴りました。
台湾のニュース情報プラットフォームのNewtalk新聞に掲載された記事と、中国国内のニュースサイト百度新聞に掲載された記事より。
米民主党のタミー・ダックワース上院議員が率いる超党派の代表団が、30日に突然台湾を訪問し、翌31日に台湾総統府で蔡英文総統と会談しました。
会談では、蔡英文総統は、新型コロナ感染流行時のワクチンやマスクの寄贈に謝意を示し、ダックワース上院議員も台湾の半導体の米国への重要性に言及しました。
また、蔡英文総統は、インド太平洋経済枠組み(IPEF)に参加する意思を引き続き表明し、台湾と米国の間で二国間の経済・貿易パートナーシップを深めるための具体的な方法が描かれることを希望すると述べました。
蔡英文総統は、さらに、前回の世界保健総会で台湾のために発言してくれた米国に感謝しました。
同日の午後、中国外交部の趙立堅報道官は定例記者会見で、日本メディアの記者から「ダックワース米上院議員は本日、台湾の蔡英文総統と会談しました。中国の対応は?」と質問されました。
趙立堅報道官は、怒った面持ちで、「台湾は中国の一つの省であり、総統などというものは存在しない!」と答えました。
趙立堅報道官は、さらに、「米国議員の台湾訪問は、一つの中国の原則と3つの米中共同コミュニケの規定に重大な違反があり、中国は強く反発している」と批判しました。
趙立堅報道官は、米国の政治家に対して、「台湾とのいかなる公式な接触も直ちに停止し、台湾独立の分離主義勢力に誤ったシグナルを送らないように!」と要求しました。
趙立堅報道官は、昨年11月にジョー・バイデン大統領が、習近平国家主席との会談で約束した『四不一無意』を改めて強調しました。
ーーー<管理人注>『四不一無意』とは?ーーー
「四不」とは、米国側が、
(1)新冷戦を求めない
(2)中国の体制変更を求めない
(3)同盟関係の強化を通じて中国に反対することを求めない
(4)台湾独立を支持しない
「一無意」とは、米国に中国と衝突する意図がないことを意味する。
中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報が今年3月20日付の記事で、「2021年11月に行われた、米中首脳による初めてのビデオ会議で、バイデン大統領が”中国側に約束した”」と書いています。
米国側の発表は見当たりませんが、環球時報の記事を否定もしていません。
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中国側の素早い反応は、中国が米台関係をかなり気にしていることを示しています。
ただ、あまりやりすぎるて、台湾独立の世論が顕著になると、『台湾は核心的利益』とする共産党が、損得勘定抜きで武力侵攻に踏み切りかねないので、ほどほどに。
参考記事
<Newtalk新聞>蔡总统接见达克沃丝代表美放弃「战略模糊」? 赵立坚怒回 :「台湾哪来的总统」!
http*://bit.ly/3x3Tq26
<百度新聞>赵立坚:台湾是中国的一个省,哪来什么“总统”?
http*://bit.ly/3x5ixSl
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