中国の習近平国家主席は、上海協力機構(SCO)首脳会議の傍ら、ロシアやイランなど10カ国の首脳と二国間会談を行いましたが、インドのナレンドラ・モディ首相とは会談を行っていませんでした。
フランス国営ラジオ放送局のrfiの記事より。
中国とロシアが主導する地域協力組織の上海協力機構(SCO)は15~16日、ウズベキスタンのサマルカンドで首脳会議を開きました。
今回の首脳会議には加盟国とオブザーバー国、対話パートナー国(アゼルバイジャン、アルメニア、カンボジア、ネパール、トルコ、スリランカ)の一部など計14人の首脳が出席しました。
加盟国:中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、インド、パキスタン
オブザーバー国:アフガニスタン、ベラルーシ、イラン、モンゴル
ベラルーシとイランは今回の首脳会議後の正式加盟の予定
中国の習近平国家主席は17日午前0時に北京に戻りましたが、中国外交部の王毅部長は、習近平国家主席は首脳会議の合間に10カ国の首脳と会談を行ったと発表しました。
10カ国の内訳は、ロシア、キルギス、トルクメニスタン、タジキスタン、イラン、ベラルーシ、パキスタン、モンゴル、トルコ、アゼルバイジャンです。
首脳会議開催前の報道では、習近平国家主席はインド・モディ首相とも会談し、中印国境問題などを協議する予定だと報じられていましたが、王毅外交部長の発表では、習近平国家主席がモディ首相と二国間会談を行ったという話は出てきませんでした。
モディ首相はロシア・プーチン大統領と二国間会談を行い、戦争を始めたことを面と向かって批判し、「今は戦争している場合ではない」と訴え、「外交と対話」の重要性を強調しました。
これに対してプーチン大統領は、「紛争ができるだけ早く終わるよう最善を尽くす」としながらも、「ウクライナ側が交渉を拒否している」と答えたそうです。
日米豪と対中包囲網クアッドを構成するインドと直接二国間会談を開くことは、中国にとっては絶好の機会のはずなのに、会談しないで帰国したことには謎が残ります。
また今回の首脳会談開催直前に、キルギスとタジキスタンという参加国同士、アルメニアとアゼルバイジャンというパートナー国同士の国境紛争が起きており、「SCO拡大は地域安定に寄与する」との首脳宣言には不安要素が残ったままです。
参考記事
<rfi>习近平返抵中国 未见莫迪