中国の青少年はオンラインゲームにはまり、インターネットに時間を費やしすぎている。フランスメディアの特派員によると、若者の不健康で時間を浪費するオンラインゲーム中毒を抑制するため、中国は最も厳しいインターネット規制措置を実施したといいます。
フランス国営ラジオ放送局RFIの記事より
精神分析学者の陳秋石氏は、「親は子どものために何もしてやれない、オンラインゲームに熱中しすぎた結果、12歳から15歳の子どもたちは勉強する意欲を失い、学校を退学せざるを得ない者もいる。」と述べ、「このように画面に過度にさらされることで、子どもたちは薬物中毒のようにやめることが難しくなる。」と付け加えました。
10歳の孫娘を持つ女性は、「孫娘は2020年からずっと、私のスマホで『迷你世界(ミニ・ワールド)』というゲームをしています。 このゲームのせいで、彼女は学校の成績が悪くなり、目を悪くして、今では眼鏡をかけなければならない。」と嘆いています。
2021年、中国はインターネット中毒撲滅のために未成年者のゲーム時間を制限し、半年以上にわたって新しいゲームの認可を凍結しました。
インターネット情報局の発表後、中国の大手インターネット企業の株価は下落しました。
フランス経済紙『レゼコー』のウェブサイトは、画面への過度の接触に対抗するため、中国政府は午後10時から午前6時までの子どもたちの携帯インターネットサービスへのアクセスを停止する意向だと報じています。
中国の国家インターネット情報弁公室は昨年、この方向で動く新たな規制措置の公開草案を発表しています。
報道によると、インターネットを遮断するのではなく、未成年者が午後10時以降に中国のさまざまなオンラインプラットフォームやSNSにアクセスできないようにするというものです。
そのためには、スマートフォン・メーカーやプラットフォーム運営会社は、保護者が設定できる「未成年者モード」を設けるなど、新たな義務を負わなければなりません。
インターネットなしでは生きていけないと感じている青少年も少なくありません。
16歳の高校生は、「学校では宿題が多くてプレッシャーがかかるし、リラックスする時間もありません。プレッシャーを軽減するためにはインターネットでゲームをするのが一番良く、もし制限されてしまえば、生活に娯楽がまったくなくなってしまうのですから、自殺を選ぶ子供がいても不思議ではありません。」と訴えます。
フランス人記者によると、中国の親たちの中には、強制的な制限に難色を示す者がいるといいます。
ある父親はフランス人記者に、「子供がネットに時間を使いすぎていると感じたら、親が介入することはできるが、インターネットを厳格に遮断すべきではない。息子は遊びたい放題だが、成績は良い。」と語っています。
++++++++++++++++++++++++++++++++
中国政府の発表によると、中国の未成年者のインターネットユーザーは2022年には1億9300万人に達しており、都市部と地方の未成年者のインターネット普及率の差は年々縮小し続けています。
未成年者の主なネット娯楽活動は、音楽を聴くこととゲームで、それぞれ63.0%と62.3%を占めており、一部の10代は長期にわたってネットゲームにはまり、精神衛生に深刻な侵害をもたらしていると指摘されています。
ゲームやショートビデオの視聴に代表されるオンライン娯楽活動は、人々のレジャーやリラクゼーションの重要な手段となっています。
しかしその一方で、インターネット中毒の問題も注目されており、世界的に見ると、スマートフォン中毒の有病率は26.99%、ソーシャルメディア中毒は17.42%、インターネット中毒は14.22%、ゲーム中毒は6.04%となっているとの報道もあります。
2022年には中国の未成年者のインターネット利用者のうち、ネットでゲームをよくする人の割合は67.8%に達し、2021年(62.3%)より5.5ポイント上昇しており、中国の若者のインターネット中毒の割合は26%と高いことが判明しています。
オンラインゲームや短い動画の視聴などのインターネット活動が強く関与していることは、青少年の心理状態や成長過程に影響を与える重要な要因であると考えられています。
そのため中国では、オンラインゲームやショート動画によるインターネット中毒の問題は、現在治療が必要な最も重要な青少年問題の一つであると考えられています。
日本でも中高生を持つ親御さんの中には、お子さんがスマホ中毒にならないように、何らかの規制を望む方もいらっしゃることでしょう。
参考記事
<自由亜州電台>法记者:中国实施最严格的措施打击“网络成瘾”