黄大仙の blog

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靖国神社の落書き:日本の怒りと中国の "頭痛の種"

61日、靖国神社の入り口付近の石柱に「toilet」と英語で書かれた落書きが発見されました。中国のソーシャルメディア小洪書(中国版Instagram)では、男が靖国神社の名前が書かれた石柱に放尿しているように見える動画が拡散しました。動画では、男は石柱にスプレーで「toilet」と落書きしており、この事件は日本側を激怒させただけでなく、対応が難しい中国政府にとっても頭痛の種となっているようです。

  フランス国営ラジオ放送局RFIの記事より。

靖国神社を冒涜する「鉄頭」

  小洪書の動画には、『鉄頭』と名乗る男が、『汚染水を海に流した日本政府に対して行動を起こせないのか?』と言っているのが映っています。

 

  そして、夜の闇の中、靖国神社の石柱に登り、石柱に小便をするジェスチャーをし、赤いスプレーで英語で「toilet」と書いて去っていきました。

 

  この男の行為は言論・表現の自由の範囲を超え、器物損壊罪という犯罪行為に該当します。

 

  日本時間61日午前620分頃、東京都千代田区にある靖国神社の石柱に落書きがされているのを通行人が発見し、近くの警察署に通報しました。

 

  また、同神社の狛犬の石像に、中国語で「世界の人々は団結する」、「だが、お前らは含まない」と書かれた紙2枚が貼られているのが見つかり、警察はこの事件の刑事捜査を開始しました。

 

  警視庁は動画に登場した男の行方を追いましたが、男はすでに中国に帰国した後でした。

 

  捜査関係者によると、動画に映っていた男は別の男(撮影者)とともに529日未明に日本に入国し、31日午後10時ごろに落書きをした後、5時間後の翌1日午前3時ごろに日本を出て上海に向かったといいます。

 

  2人は531日午後10時頃、付近の監視カメラに映っていたといい、同署は他にも関係者がいるとみて捜査に乗り出しています。

 

  日本の複数のソーシャルメディアは、この男が中国人であることを突き止め、名前を公表したといいます。彼はかつて「打假網紅」でした。

 

  『聯合早報』は「中国の有名な偽造ネット有名人『悪を懲らしめ善を広める鉄頭』(略して『鉄頭』)が、抖音、快手、微博などのSNSでアカウント停止処分を受けている。」と報じています。

 

  抖音プラットフォームで518万人のフォロワーを持つ『悪を罰し善を促進する鉄頭』のアカウントは現在、「アカウントが禁止されました」と表示されています。

 

  また、快手プラットフォームでは、「アカウントが禁止され、一時的に操作できない」と表示されています。

 

  微博のアカウントでは、『アカウントが法令および微博コミュニティ規約の関連規定に違反しているとの苦情により、現在閲覧不可』となっています。

 

  中国のネット上では、『鉄頭』の行動は賛否両論で、「いい人」という声もあれば、「愛国を旗印にいいねとアクセスを稼いでいる」という声もあります。

 

  『鉄頭』はどのような動機でこの落書き活動を行ったのでしょうか?靖国神社という施設に対する怒りが動機と言うわけでもなさそうです。

 

  彼は最近、ANNジャパンのインタビューを受けました。そのインタビューの中で、落書き男は「理由はただひとつ、日本が核の汚染水を海に流し続けてほしくないからです。これが私の最終目標です。福島第一原発の処理水の排出を止めるために、日本人にとって最も関心のある靖国神社に落書きをした。」と述べました。

 

  彼は事件について後悔も反省もしておらず、「自首するつもりはない」と述べ、帰国後、公安当局などの取り調べを受けることはなかったといいます。

 

  しかし、彼の落書きは中国にとっても外交上の大きな問題を引き起こしています。

 

  上川陽子外相は64日の記者会見で、産経新聞の記者から一連の事件について、「このような靖国神社などの宗教施設への落書きについては、宗教を冒涜する行為だと思いますし、今回は中国籍の好ましくない外国人でしたが、大臣、このような行為についてどのようにお考えでしょうか。 また、この件に関して外務省は対応するのでしょうか。 この2点についての見解をお聞かせください。」と質問を受けました。

 

  上川陽子外相は、「まず、ご指摘の件でございますが、これは我が国の関係法令に違反する行為であり、そのような行為を助長、支援するような動画を作成、発信することは許されないと考えております。 このような考えに基づき、我々は外交ルートを通じて中国政府にこの事件に対する懸念を表明し、中国国民に冷静さを保つよう喚起しつつ、現地の法令を遵守するよう促すよう要請しました。」と回答しました。

 

  この犯罪行為は日本国民の間でも大きな怒りを呼んでおり、日本の高須クリニック高須克弥院長は自身のSNSで、「この中国人を逮捕し、身柄を引き渡せた人にはボーナスを出します」、「ボーナスを1000万円に増額します 」などと書き込んでいます。

 

  この事件に対して、中国政府の言動が落書き魔の言動と同一であるかのように思っている人も少なからずいます。

 

  しかし実際には、中国政府も頭を痛めているようです。

 

  中国外交部の63日の定例記者会見で、ブルームバーグの記者が「中国のソーシャルメディアネチズンが、日本の靖国神社の前でわいせつな動画を投稿した。 中国国民が海外でどのように振る舞うべきかについて、外交部の見解は?」と質問しました。

 

  毛寧報道官は次のように答えました。「日本側は侵略の歴史を直視し、反省し、約束を守り、実践的な行動でアジア近隣諸国と国際社会の信頼を勝ち取るべきだ。 同時に、外国にいる中国国民に対して、現地の法令を遵守し、理性的に要求を表明するよう、改めて喚起したい。」

 

  毛寧報道官は落書き活動家と一線を引こうとしたが、日本の夕刊フジは、「中国外交部の毛寧副部長は3日の記者会見で、『外国にいる中国国民は現地の法規を遵守し、理性的に要求を表明すべきだ』と述べたが、同時に次のようにも述べた。 靖国神社は日本の軍国主義的な侵略戦争の象徴である』と、この男性の行動を擁護するかのような発言をした。」と報じています。

 

  こうしたことから、この落書き事件は日本側を大いに怒らせ、こうした「愛国心」は中国側にも頭痛の種になっていることがわかります。

 

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  この事件についての微博の投稿は今でも見られますが、落書きを非難する投稿ばかりが目立つようになりました。以前は賛成意見が少なくなかったので、当局が都合の悪い投稿を削除しているのかもしれません。

 

  対馬和多都美神社では韓国人観光客による迷惑行為が問題視されています。一部の韓国人観光客による喫煙やポイ捨て、暴力行為などに悩まされているとのことで、「韓国人の立ち入り禁止」と書いた張り紙を掲示したとのことです。

 

  日本のサヨクマスコミからは、『ヘイトだ』『外国人差別だ』と非難の声が上がったそうですが、大多数の韓国の方や韓国メディアからは、『同じ韓国人として本当に申し訳ない』『バンバン注意しちゃってください』『大丈夫ですか? 応援しています』など、謝罪や応援のメッセージが寄せられているそうです。

 

  靖国神社の件、和多都美神社の件では、『最低民度決定戦、中韓頂上決戦』などと揶揄する投稿も見かけましたが、なかなかどうして我が日本人も、海外の文化財に落書きをやらかして問題になっています。

 

  「世界遺産 落書き 海外」「イタリア 落書き 日本人」などでググれば次々と引っ掛かります。

 

  いずれにしても自国民が海外でやらかした時には、まず相手国に謝罪し、加害者には猛省を促すことですね。

 

 


 

参考記事

<rfi>靖国神社鸦:日本很愤怒 中国也头痛

https://x.gd/fpMgB