中国の経済実績は引き続き低調、CPIは低下、多くの食品価格が下落
6月の中国工業生産者物価指数(PPI)は、市場予想通り前年同月比0.8%低下し、21ヵ月連続のマイナスとなりました。同日発表された消費者物価指数(CPI)は前年同月比で0.2%上昇したものの、市場予想の0.4%を下回り、ここ3ヵ月で最低となりました。
米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。

6月も多くの価格が下落し、食品価格は前年同月比2.1%下落、生鮮果物と野菜の価格下落が大きく、豚肉価格のみが需要増により18%上昇しました。
PPIに関しては、今年に入り、前年同月比で上昇したのは5月のみで、上半期のPPIは前年同期比2.1%の下落となりました。
中国国家統計局都市部の董莉娟主任統計官によると、6月の消費者市場への供給は十分であり、食品とエネルギー価格を除いたコアCPIは前年同月比0.6%上昇と前月と同率で、緩やかな上昇が続きました。
また、PPIは前年同月比で低下したが、国際商品価格の変動や中国国内の一部工業製品市場における需要不足などの要因により、前年同月比の低下率は縮小を続けました。
中国の李強首相は9日に北京で企業家や専門家と懇談しましたが、習近平国家主席が5月23日に済南市で企業家・専門家フォーラムを開催してからわずか1ヵ月半後のことでした。
李強は4月8日にも北京で同趣旨のシンポジウムを開催しています。つまり、習近平と李強はここ3ヶ月の間に3回も企業家と専門家を招集したことになるのです。
7月15~18日に3中全会が開催されますが、停滞する経済や人口減少などの課題に対してどのような政策が打ち出されるかが注目されます。
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3中全会は、正式には「第20期中央委員会第3回全体会議」と言い、通常は5年に1度の党大会の翌年に開かれてきました。
第20回党大会は2022年10月に開催されましたので、通常なら昨年2023年に開催されると見られていましたが、党からの開催日程の発表がないままでした。
今回の会議では、不動産不況が長引き、需要が低迷する足元の国内経済への対策のほか、人口減少などの中長期的な課題についても議論するとみられています。
参考記事
<自由亜州電台>中国经济表现持续疲弱 CPI回落 多项食品价格下跌