フィリピンは16日に、米国の中距離ミサイル・システムがフィリピン領土に配備されても、中国への脅威にはならず、地域を不安定化させることもないと述べました。マニラ発のロイター通信によると、米国は4月にフィリピンにミサイルシステムを配備したが、インド太平洋地域に同システムを配備するのは初めてのことです。
米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。
フィリピンのエンリケ・マナロ外務次官によると、中国の王毅外交部長はラオスで開催されたASEAN会議の傍らで二国間協議を行った際、ミサイルシステムに対する懸念を表明したとのことです。
王毅は先月、アメリカの中距離ミサイル・システムの配備は地域の緊張を高め、軍拡競争につながる恐れがあると述べていました。
米比同盟は、南シナ海や台湾付近での中国の侵略に対抗するために強化されています。米国政府は7月、フィリピン軍と沿岸警備隊に5億ドルの資金提供を約束しました。
フィリピンはまた、東アジアにおけるアメリカのもうひとつの重要な同盟国である日本との安全保障協力を拡大しており、これは中国を怒らせています。
中国国防部の張暁剛報道官は自身のSNSアカウントで、「中国は、国家間の防衛協力は第三国を標的にすべきではなく、地域の平和と安定を損なうものであってはならないと考えている。」と述べ、「フィリピンはオオカミを家に招き入れ、進んで彼らの手先になっている 」と指摘しました。
ロイターの報道によれば、中国とフィリピンの間の緊張は、特に南シナ海の係争地域をめぐって高まっています。
先週、フィリピンは中国空軍が係争中のスカボロー礁で危険な飛行を行っていると非難しました。この事件は、フィリピンと中国が海洋紛争をよりよく管理することで合意した後に起こっています。
中国軍機2機、フィリピン空軍機に妨害行為 南シナ海上空で白煙状のフレアを放射 国際法違反との批判に「合法的」と強調(夕刊フジ) - Yahoo!ニュース
マナロ外務次官はまた、フィリピンが係争中のセカンド・トーマス礁で座礁している船舶への補給をめぐって両国間で成立した暫定合意を中国が尊重することを望むと述べました。
中国はスカボロー礁やセカンド・トーマス礁を含む南シナ海の大部分を自国領だと主張しています。中国は、南シナ海における中国の領有権主張には国際法上の根拠がないとした2016年のハーグ常設仲裁裁判所の裁定を拒否しています。
+++++++++++++++++++++++++++++
米国の中距離ミサイルシステムは今年4月に米比が合同軍事演習を行った時に、フィリピン北部に配置されました。
この時も中国は激しく非難し、「米比の軍事演習は地域の平和を著しく損なった。中距離ミサイルは戦略攻撃兵器であり、冷戦の色合いが強い。」と指摘しています。
中国が南シナ海や東シナ海で軍事演習を繰り返し、弾道ミサイルを日本のEEZに打ち込んだこともあるのは周知のことですが、他国が軍事演習するのは気に入らないようです。
中国のように、自分のことは棚に上げて他人の行為を責める『オマユウ(お前が言うな)』は、恥ずかしい行為ですが日本も見習ったらどうでしょう。
日本の周囲には『オマユウ』を繰り返す国は中国だけじゃありませんので。
参考記事
<自由亜州電台>菲律宾:美国导弹系统对中国不构成威胁