中国税関総署は8月16日の声明で、世界保健機関(WHO)がサル痘の流行が再び世界的な公衆衛生上の緊急事態になったと宣言したことを受け、今後6ヶ月間、サル痘ウイルスについて入国する人や貨物を監視すると発表しました。
フランス国営ラジオ放送局RFIの記事より。
税関公開サイト 「Customs Release 」が発表した声明によると、税関職員は手続きに従って検査のためのサンプルを採取する措置をとります。
また声明は、「サル痘が発生した国(地域)からの輸送車両、コンテナ、商品、物品で、汚染されたもの、または汚染される可能性のあるものは、規定された手順に従って衛生的な処理を行わなければならない。」と述べています。
中国税関がサル痘審査方針を発表するのは今回で4回目です。最初の声明は2022年に発効し、昨年さらに2つの声明が出されています。
サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙によると、中国は2022年9月に初のサル痘感染者の入国者を報告し、昨年6月には初の国内感染者を報告しました。
中国疾病予防管理センター(CDC)は昨年8月から11月までの4ヶ月間、サル痘感染のサーベイランスを実施し、その間に合計1,013人の新規感染者が確認されましたが、死亡者はゼロでした。
サル痘ウイルスは1958年に研究用のサルから初めて発見され、この病気は「サル痘」と命名されましたが、病気や特定の民族に対する誤解や差別を避けるため、2024年2月1日に「エムポックス」と改名されました。
エムポックスウイルスのヒトへの感染は、1970年にコンゴ民主共和国で生後9ヵ月の男児が確認されたのが最初で、それ以来、中央アフリカや西アフリカの熱帯雨林に近い遠隔地で感染例が報告されています。
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エムポックス(サル痘)ウイルス感染は男性間の濃厚接触、主に性行動に関連しているとされてきたために、中国でも『同性間性交渉のある男性群』に焦点を当てて調査していました。
ところが昨年8月に報告された501件の感染例のうち5例が女性であったことから、家庭内などにおける子どもや高齢者への感染拡大を警戒しています。
日本でも2022年に欧州からの帰国者で初の感染者が確認され、以後感染患者の発見が続いているそうです。
東京都健康安全研究センター » エムポックス(サル痘)の世界的流行について(4月8日更新)
エムポックスに感染した時の症状は、発熱や発疹などの症状が現れ、多くの場合は軽症で自然に回復します。しかし子どもや妊婦のほか、免疫不全の人は重症化することがあるとされていますので注意が必要です。
かつてのコロナ狂想曲のような「おバカ」な自粛をすることはないと思いますが、天然痘ワクチンが予防効果があるとのことです。(厚生労働省)
参考記事
<rfi>中国对入境人员和货物进行猴痘病毒筛检