9月4日から6日まで北京で開催される2024年中国アフリカ協力フォーラム(FOCAC)首脳会議のため、アフリカ諸国の首脳が31日夜から北京入りしています。アフリカにおける資源と影響力をめぐる大国間の競争が激化するなか、北京を訪れるアフリカの指導者たちは、大規模なインフラ・プロジェクトの資金を求め、中国に対してより有利な返済条件を要求するだろうと外信は報じています。
米国に拠点を置き、中国、台湾、香港、マカオの政治、経済、社会、生活、金融などのニュースを世界中の華人向けに発信するメディアの世界新聞網の記事より。
アメリカのボストン大学の調査によると、中国のアフリカへの年間融資額は昨年46.1億ドルで、2016年以来初めて増加し、Covid19流行前以来最大となりました。
サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙によると、アフリカにおける中国の融資活動は、数年間の低迷を経て回復し始めており、中国が「一帯一路」インフラ計画を見直しつつあることを示している可能性もあると指摘しました。
ボストン大学リサーチセンターによると、2000年から2023年の間に、中国の金融機関はアフリカの49の政府と7つの地域の借り手に対し、総額1822億8000万ドル(約26兆6600億円)にのぼる1306件の融資を行いました。
FOCACサミットは、中国が主催する外交上の集まりとしてはCovid19流行以来最大のものとなり、「手を携えて近代化を進め、ハイレベルの中国・アフリカ運命共同体を構築する」というテーマで、習近平が主催者として議長を務め、中国が「グローバル・サウス」に貢献する必要性を強調します。
習近平は最近、「中国とアフリカは常に運命共同体である。激動する世界情勢を前に、中国とアフリカが連帯と協力を強化することは、これまで以上に重要だ」と強調しました。
美國之音は、習近平が政権に就いて以来、中国はアフリカ諸国との関係を拡大し、インフラ整備を支援するために数十億ドルの融資を行ってきたが、これはしばしばアフリカ諸国にとって巨額の負債につながり、「債務の罠」をめぐる論争さえ巻き起こしたと報じました。
アフリカは習近平の「一帯一路」における重要な拠点であり、多くのアフリカ諸国が鉄道、港湾、水力発電所などの必要性の高いメガプロジェクトを建設するために中国から巨額の融資を受けています。
中国はまた、数十万人の労働者をアフリカに送り込み、銅、リチウム、希土類鉱物など、アフリカの豊富な天然資源を活用しながら、大規模なエンジニアリング・プロジェクトを建設しています。
米国はアフリカに対し、中国からの「悪意ある影響」に抵抗するよう繰り返し警告してきました。米国はまた、中国がアフリカで「自らの狭い商業的・地政学的利益を促進し、透明性と開放性を損なおうとしている」と非難していますが、中国はこれらの非難を拒否しています。
アフリカ諸国は中国の成長機会を利用しようとしていますが、経済減速により、中国は巨額の資金を投入することにますます消極的になっており、中国側は債務救済を拒否していると、ルネッサンス・インターナショナル・コンサルティングの政策アナリストのエゴルグ氏は指摘しています。
清華大学国際関係学部の唐暁陽教授は、前回のFOCACが6年前に開催されて以来、「世界は、Covid19、地政学的緊張、そして現在の経済的課題など、多くの大きな変化を経てきた。大規模なインフラ開発や急速な工業化のための旧来型の融資は、今や完全に問題外だ。」と述べました。
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アフリカ大陸の人口は約13億人で、中国の14億人とほぼ同等ですが、中国は60歳以上が18.7%を占めているのに対してアフリカはわずか6%に過ぎず、中国は若い労働力をアフリカに求めています。
また、アフリカ大陸の中流階級は3~4億人いるとされ、すでに中国に匹敵しています。このアフリカの中間層を消費市場として取り込もうと目論んでいます。
また、国際連合の加盟国は193カ国ありますが、アフリカ大陸はそのうち54カ国を占めており、中国はアフリカ諸国を支援することで国連での多数派工作を行なっています。
経済不況から立ち直れない中国ですが、アフリカ支援はやめないようですので、どんどんお金を使ってもらい、軍備に廻すお金が減っていけば東アジアの脅威も緩和されます。
参考記事
<世界新聞網>非洲多国总统抵中国 为基建寻资金 但中方恐难拿出大笔钱