中国で降り続ける大雨
長江上流域にも連続して大雨が降り、
重慶では1940年以来最大の洪水が発生し、
危険水位を2m超えたとの報道もある。
三峡ダムが決壊すれば、溢れ出る土砂は沖縄や九州にも及ぶと言われ、
日本も他人事ではない。
中国国内のことは日本では関心を持たれないのですが、
中国の中南部24の省に及ぶ広い範囲で大雨が続き、
洪水被害が出ているようです。
長江(揚子江)でも水が溢れ、
重慶、武漢、南京など長江流域の都市では洪水の被害が出ています。
重慶市は長江上流にある都市ですが、
1940年以来初めてとなる赤色洪水緊急警報が出ました。
赤色というのは最高レベルの警報を意味します。
重慶では6月22日20時に重慶市烏江流域の洪水水位は196.7mに達し、
22日21時には綦江流域洪水水位が205.86mに達しました。
それぞれ警戒水位を3.27m、5.35m超えていたとのことなので、かなりの降水量です。
当日の天気図を見ると(前日発表の予報図ですが)、
6月22日08時-23日08時降水量
中国のかなり広い範囲で雨が降っていたのがわかります。
図では緑から青が濃くなるほど雨量が多く、
ピンクの部分が1時間100-250mmと最大雨量を示しています。
長江に沿って強い雨が降っていたことがわかります。
これが23日になると、
6月23日08時-24日08時降水量
全国的には雨の範囲は縮小しているものの、
長江流域はむしろ雨あしが強まっているようにも見えます。
そして24日には、
6月24日08時-25日08時降水量
大雨の地域は長江流域から南に移動しましたが、
この辺りは長江の水源地帯で、ここで降った雨が長江を流れていきます。
これで心配になるのが、世界最大の水力発電ダムである三峡ダムです。
三峡ダムは重慶の下流、武漢の上流に位置しています。(上図参考)
ずっと降り続いた雨によって三峡ダムの貯水量がぐんぐん増えてしまい、
危険水位を2mも超えてしまいました。
放水して水位を下げなくてはいけないのは当然のことですが、
武漢市内の様子
一気に放水してしまうと武漢でも洪水の被害が出てしまいます。
さらに下流にある南京や上海にも影響が出てしまう為、
当局も気を使いながら放水しているとの情報です。
実は三峡ダムは完成前から、崩壊説がずっと唱えられていて、
最近では毎年雨季(梅雨)の季節行事のように崩壊説が世界中を駆けまわります。
今年も同じように崩壊説が出ていましたが、
今月に入ってからの雨続きのため、「明日にも崩壊する~」説となって、広がっているようです。
私は崩壊はしないと思ってます。
根拠は下流域に上海や江蘇省(南京、無錫、蘇州、南通など)があり、
ここは中国経済にとって最も重要な地域です。
さらに長江沿いには人民解放軍の重要な基地や施設が多くあるからです。
このような重要な地域や施設を救うためなら、
中小都市や農村地帯が水に沈むくらいは平気でしょう。
水はすぐに引いていきます。
ところで、昨年ごろだったと思いますが、
衛星写真(グーグルアース?)で見た三峡ダムが歪んでいたことで、
崩壊説が加熱したことがあります。
中国のネット上で実際の三峡ダムの写真が多数アップされ、
それを見る限りでは歪んでいるようには見えませんでした。
また中国当局からは「多少歪んで衝撃を吸収するように設計されている」との見解が出ていました。
グーグルアースを良くみると、実際は真っ直ぐなのに、
かなり歪んで見えることは割とありますね。
衛星写真は1枚で全域を撮っているわけではなく、
何枚もの写真を重ね合わせて1枚の写真を作るために、
歪んでしまう箇所が出てしまうのだそうです。
日本のネット上でも、明石大橋が歪んでいたり、
飛行場の滑走路が歪んでいる衛星写真がアップされていますが、
だからと言って明石大橋が崩壊すると騒いだり、
飛行場の地形が歪んだと騒ぐ人はいませんよね。
レインボーブリッジはどうなんでしょう?
歪んでたらみんなで騒ぎましょうか。
重慶洪水被害の様子を伝える中国国内のニュース
+++中国水运网の記事+++
[原題]<中国水运网>重庆市港航海事事务中心全力迎战今年入汛以来最大汛情
[邦訳]<中国水运网>重慶市航海海事センターは今年最大の洪水位と戦う。
<<原文のURLは下にあります>>
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上流域の連続した大雨の影響を受けて、6月21から22日まで、重慶市綦江流域、烏江流域は、今年最大の洪水にあった。深刻な洪水防止情勢下で、重慶市航海海事センターは全力で、多くの洪水対策をとり、今回の洪水期間に流域内で水上交通障害や事故の発生を抑えた。
6月22日20時に烏江流域の洪水水位は196.7mに達し、流量は15400m³/s、水位上昇幅は19.79mに達し、警戒水位を3.27m超えた。22日21時には綦江流域洪水水位は205.86m、水位上昇幅10.18mに達し、警戒水位を5.35m超え、流量は550m³/sから5630m³/sに急上昇して10倍以上上昇し、綦江流域での1940年以来最大の洪水となった。今回の洪水では流量が多く、水位が高く、急な上昇があり、押し流された草木も多く、多くの地域で水位が警戒レベルを超え、洪水制御の状況は非常に深刻であった。
洪水は命令である!(洪水があったら何があっても行動しろ)
重慶市航海海事センターはすぐに「戦時状態」に入り、垣根を超えて全部署が今回の洪水に対応するために、すぐに緊急会議が開かれた。
重慶市航海海事センターの関係者は、貴州省上流域の豪雨のニュースに細心の注意を払っており、重慶市水文駅の早期警戒情報を受け、直ちに管轄流域の洪水の分析と判断を行い、21日8時に烏江流域に赤色緊急洪水警報を、22日15時に綦江流域に赤色洪水緊急警報を発令し、烏江には航行禁止通告が出され、各地区に対して防災防洪水対応を強化するように指示が出された。
雨は合図だ!
さらに、重慶市航海海事センターは、市防災局、市救急局、上流の水文局と密接な関係を強め、洪水状況を追跡し収集した。烏江水路部、武隆及び綦江海運管理部に、水力発電所水害派遣との連絡を強化し、上流の水力発電所と積極的に協調して放流量をコントロールし、洪水状況を緩和するのに重要な役割を果たした。同時に緊急のWeChatグループ、GPSなどのプラットホームを通して、最初の洪水情報が公開された。
作業の整理と調整をしながら、重慶市航海海事センターは最初に、烏江涪陵、武隆水域現場に作業グループを派遣し、沿線に停泊中の船舶、港湾や堤防のチェックを行い、危険化学物質、旅客運送など主要船舶と危険化学品埠頭の検査指導を強化し、24隻の桟橋固定ロープを強化し、危険を避けるために13隻を烏江から長江に誘導した。綦江港湾局は、両河口の桟橋、篆塘の採砂船、関門をかえる工程船など、150を超える航行標識に錨やロープを追加し、危険な航行や農業用船に違法に乗客を乗せるような行為を厳格に禁止し、事故の発生を防止した。
人命は泰山よりも重い!
重慶市航海海事センターは、応急救援隊を組織し、24時間待機状態に入り、いつでも迅速に緊急支援の準備ができるようにした。同時に社会救援部隊と連合して、機材と技術サポートを提供し、綦江で移動困難な30人余りの人々を移動させた。綦江港湾部門に工程船やフェリーの危険な状況をうまく処理し、戦場の船員を移送するように指導した。さらに、重慶市航海海事センターは、綦江港湾局に橋河水門と篆塘埠頭などに、貴州上流から流れるコンテナ、オイルタンク、船舶を段階的に食い止め、航路施設や下流の橋梁の安全に対する脅威を取り除き、人々の生命と財産の安全のために全力を尽くした。
現在、綦江、烏江流域の水位は着実に孤高している。重慶市航海海事センターは、現場の監督指導、応急救援、情報収集など関連作業を続け、河沿いの関連ユニットに現場での任務と安全管理を慎重に行うよう要求し、各施工水域の作業船舶、川沿いに停泊している船舶、パージ船に時間内に船舶を搬出するように要請し、係留状況を常に観察し、急激な水位後退による座礁事故を防ぎ、退水期の安全を確保する。
<中国水运网>重庆市港航海事事务中心全力迎战今年入汛以来最大汛情
http://www.zgsyb.com/news.html?aid=558546
+++中国水运网の記事+++