第3四半期(7~9月)の香港の国内総生産(GDP)が年率換算で3.5%減少したと発表しました。予想されていた3.4%減を下回りました。香港のGDPは5四半期連続の縮小です。
香港政府の統計局は、香港の景気低迷が続いている主な理由として、ウイルスの流行による香港の観光や消費の回復の悪さを挙げたと自由亜州電台(RFA)が報じています。
自由亜州電台(RFA)はアメリカに拠点を置く国際メディアです。
しかし、前2四半期(1~3月、4~6月)に比べると減少幅は大幅に縮小しています。 香港のGDPは第1四半期(1~3月)に9.1%減少、第2四半期(4~6月)に9%減少していました。
香港政府の説明では、第3四半期(7~9月)には本土で経済成長が加速したことで対外取引環境が改善したことや、新型コロナ流行状況が安定化したことなどが主な要因で、景気の縮小が鈍化したとのことです。
また、香港政府は香港の通年のGDP動向について、今年は6.1%縮小するとの見通しを示しました。 年間6.1%の落ち込みは、香港史上最低の落ち込みとなりました。1998年のアジア金融危機後の落ち込みもも5.9%にとどまっていました。
香港経済は民主化デモの混乱や米中貿易戦争の影響を受け、2019年後半から景気後退を始め、2020年に入って新型コロナの流行が加わり、香港域内の経済が大打撃を受けました。
2019年は10年ぶりに通年のGDPがマイナス成長の1.2%減少となりましたが、今年はそれを大幅に上回る減少となってしまいました。
しかし中国でコロナ後の経済回復が進み、中国との貿易が回復したり、香港国安法施行により民主化運動も下火になったことで、経済も回復基調にあるようです。
懸念されるのは米国の香港自治法による制裁により、特殊待遇処置の停止が続いていることでしょう。
[一緒に読みたい記事]
参考資料 *>s
<自由亜州電台>香港经济第三季度继续收缩 全年收缩幅度将超6%
http*://bit.ly/3lBemW4