香港国家安全維持法執行に反対してアメリカ政府は香港の特殊待遇処置を停止しました。中国への制裁のはずが、実は香港市民にも打撃を与えていました。香港市民のグリーンカード抽選プログラムへの参加資格が剥奪されていたのです。
DV-2022移民多様化ビザ抽選プログラム(グリーンカード抽選プログラム)への申請は、10月7日から11月10日までの約1か月間受け付けられます。世界中から1000万人以上が申請すると言われるグリーンカード抽選プログラムですが、当選できるのは5万5千人とかなり狭き門になっています。
グリーンカード抽選プログラムは過去5年間に5万人以上の移民を送った国には申請資格が与えられませんので、中国人には申請資格がありません。
香港版国家安全維持法が施行される前は、香港は自治区と見做されており、中国本国とは別扱いで参加資格がありました。前回のグリーンカード抽選プログラムでは香港市民3万人以上が応募しました。
資格を剥奪されなければ、今回も前回以上に香港市民からの応募があっただろうと思うのですが、アメリカの制裁が中国ではなく香港に効いてしまいました。
香港のお隣のマカオ市民は応募資格があるので、香港市民としてはやりきれない気分かもしれません。
香港や中国以外にグリーンカード抽選プログラムへの参加資格のない国々は、バングラデシュ、ブラジル、カナダ、コロンビア、ドミニカ共和国、エルサルバドル、グアテマラ、ハイチ、ホンジュラス、インド、ジャマイカ、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、韓国、イギリス(北アイルランドを除く)とその従属地域、ベトナムです。
中南米に多いのはわかりますが、イギリスが入っているのに驚きますね。過去5年間で5万人以上が移民している国が参加資格なしということですので、ブレグジットでイギリスからアメリカへの移住が多かったのでしょうか?
アメリカ大使館のウェブに応募要項がありましたのでリンクを貼っておきます。興味のある方はどうぞ。
参考資料
<美国之音>美國取消香港特殊待遇 港人再無抽籤移民資格
http*://bit.ly/2Fi0DDU
<網易号>香港又一“特殊待遇”被取消,美政府:港人不再符合抽签移民资格
http*://bit.ly/3iJDrfu