黄大仙の blog

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以前は『産むな増やすな』、今は『産めよ増やせよ』中国共産党のスローガンにも、庶民はもう無理

前世紀人口爆発に苦しんだ中国共産党は、1980年代から一人っ子政策を推し進め、『産むな増やすな』と言わんばかりのスローガンを多く掲げました。対照的に少子高齢化に苦しむ現在の中国共産党は、スプレーや垂れ幕で書かれたスローガンで『産めよ増やせよ』と人々に子供を産ませようとしています。

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   1980年代のスローガンと現代のスローガンを見比べてみましょう。

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左が80年代、右が現代のスローガンです。

上段左『把人口降下来 把国民经济搞上去(人口を減らせ 国民経済を盛り上げろ)』

上段右『经济搞上去,人口跟上来(経済を盛り上げろ 人口も増やせ)

 

下段左『一胎放 二胎结扎(一人産んだら避妊リング 二人産んだらパイプカット

下段右『二胎奖,一胎罚,丁克不育都该抓(二人は表彰、一人は罰則、DINKSで産まず育てずは逮捕』

DINKS(丁克)Double Income No Kidsのことで、共稼ぎで子供を作らない夫婦のことです。

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  これ以外にも80年代のスローガンと現代のスローガンを比べてみると、

 

80年代のスローガン

「一人が多く生んだら、村全体でパイプカット

「堕ろせ!流せ! 生むな!」

「子供が増えるよりも、血の川を流した方がいい!」

「墓を10個増やせ、もう一人も増やすな!」

 

現代のスローガン

『一人が産むのを拒否したら、村全体で人工授精』

『孕め!育てろ!堕ろすな!』

『産めば男の子も女の子も同じ 』

 

  現代スローガンには、

『産まなければ一生後悔することになる、子育てをしないと老後の生活を支えることができない』

老後のことに触れるものがあるのが現代の社会情勢を表しています。

 

  

  中国の少子高齢化問題は深刻なようです。先日発表された「中国人口報告書2020」の中では、来年から始まる第145カ年計画期間中には3人目の子供を持てるようにすべきと提案しています。

 

   三人っ子政策の自由化は、少子高齢化問題に対応するために中国国民の世論に沿ったものだとしています。

 

  しかしこの提案は、ネット上で反響を呼び、80年代の共産党のスローガンと比較して罵り、ネット民の嘲笑を買いました。「頭を使って考えたことがこれか?」「専門家の頭脳が停滞している」

 

  同時に一人っ子政策により、強制的に中絶された妊婦がいたり、家庭内で放置された高齢者が多くいた事や、経済発展の陰で住宅価格、学費、生活費が高騰したことに対して批判するネット民もいます。

 

  「精巣摘出を余儀なくされた人、罰金を科された人、どうやって補償するの?苦しむ家族をどうやって癒すの?」

 

  「一人っ子政策のせいで兄弟姉妹が無く、今は4人の老人(父方祖父母と母方祖父母)が父母のために家を買い、両方の祖父母と父母の6人が1人の子供を育てている」

 

  中国共産党が非人間的な「一人っ子政策」を強制的に施行した1979年以降、労働人口の激減、少子高齢化問題が顕著になっています。

 

  中国共産党2015年に「一人っ子政策」の終了を決定し、2016年には「二人っ子政策」を全面実施しましたが、新生児は2016年に前年を上回っただけで、2017年以降は増加するどころか減少しました。

 

20161786万人 +131万人

20171723万人  -63万人

20181523万人  -200万人

20191465万人  -58万人

 

  2人っ子開放後の出生率は増加するどころか減少しており、2030年には1,100万人以下になると予想されています。

 

  また、60歳以上の高齢者人口は25000万人を超え、人口の18.1%を占めるなど、中国は高齢化社会に突入し始めていて、2035年には中国の60歳以上の人口は4億人に達し、人口の28%を占めると予想されています。 

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  中国の若者が子供を産みたがらないのは、「産みたくないから」ではなく、「産むのが怖いから」だと言われています。 住宅、教育、社会保障の三つの険しい山が若者の足を引っ張っていると言います。

 

  第一の山の住居費について、データによると、2004年から2018年にかけて、中国の家庭の住宅ローン対所得比率は16.2%から47.6%へと大幅に上昇し、80後は家計の負債が増加し、収入の58割近くが住宅ローンに拠出されており、家の奴隷となり、苦労と疲弊を強いられています。

 

  第二の山の教育費の問題は、さらに手の届かないものとなっています。出生から大学卒業までの子供は、最低でも825,000(1310万円)を必要としています。

 

  子供が私立に通ったり、大学院や博士課程に進学したりした場合には250万元(4000万円)が必要とされ、子育てには莫大な費用がかかるため、子どもは「紙幣破壊機」や「二足の金呑み獣」とも呼ばれています。

 

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  第三の山は社会保障の問題です。中国共産党は長年、高齢者の負担や高額医療費の問題を解決できずにいます。

 

  中国の年金が次々と不足している今、定年を遅らせることはすでに規定の路線とも言え、80後、90後は将来的に65歳や70歳で定年を迎えるかもしれません。

 

  しかし今は八百屋でも年齢差別があると言われるの中で、普通の人は大変なことになっていますし、高齢者が働ける業界も少なくなっていくと言われています。

 

  子供が結婚すると、親が車と家と持参金を用意しなければならず、今では子供の結婚で家計の貯金のほとんどを使い果たしてしまいます。そのため子供を3人も産むのは無理だろうと言われています。

 

  夫婦2人で老齢の両親4人を養い、さらに2人の子供を育てるふたりっ子政策…..この世の地獄です。まして3人っ子政策だってか!!?

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参考資料 *>s

 

<希望之声>从打击超生到强迫多生 中国农村雷人标语折射的现实

http*://bit.ly/2HyRk3z