EUは米国の大統領が交代すると判断し、米国に共同で中国と対峙する新たな戦略を提示する方針であると報じられました。EUと米国の双方がデジタル規範や新型コロナ流行などの分野での協力を呼びかけるとみられます。
欧州連合(EU)は、トランプ大統領の退陣が決まった時期に、中国と対峙するための新たな共同戦略を米国に提示する準備を進めていると、ドイツ国営の国際メディアの徳国之声が報じました。
西欧民主主義国が全体主義的な勢力や閉鎖的な経済から自国の利益を守ることを望むならば、米国はEUとの同盟関係を修復する必要があると強調しています。
提案書草案では、EUが米国のハイテクリーダー(GAFA)への増税を求めるなど、過去数年にわたってEUと米国の間に緊張関係をもたらしてきた要因のいくつかを取り除くべきだと提案しています。
提案書は、新型コロナウイルスワクチンの開発と普及に関するEUと米国の協力、世界保健機関(WHO)の改革も求めています。
提案書草案は、12月10日と11日に開催されるEU首脳会議で各国に手渡され、加盟国首脳の承認を得た後、2021年前半に開催される欧州連合(EU)と米国の首脳会議で話し合われる見通しだとのことです。
11月初めにEUは、米国がボーイング社に補助金を拠出していることへの報復として、米国からの輸入品に最大40億ドルの関税を課しました。
EUはまた、バイデン氏が就任した後、米・EU貿易関係の改善を希望しており、EU27カ国の貿易政策を調整する欧州委員会がバイデン氏と非公式に面会したとしています。
これはまだ青写真に過ぎませんが、中国の台頭に対するEUの懸念が反映されており、米国バイデン新政権との連携には楽観的であるとしています。
しかし、EU内にも意見の相違があり、EUと米国の間の緊密な協力関係のネックになる可能性も指摘されています。
トランプ政権下ではEUと米国が緊張状態に陥ったので、ほとんどのEU加盟国がバイデン氏の勝利を歓迎しています。
しかし、EU加盟国が徐々に中国の「戦狼外交」に疑問を持ち始めているとはいえ、ほとんどのEU加盟国が中国と直接対決することにはまだ消極的だと指摘しています。経済的に中国に頼っている国が多いことが理由です。
EU加盟国では、中国に対する認識は大きく悪化しており、中国のイメージはロシアよりも悪くなっています。
イメージ悪化の理由は新型コロナの蔓延、人権侵害、技術力の乱用などと分析されており、中国の軍事力や地政学的な拡大はあまり気にしていません。
日本でも対中感情の悪化が報じられ、世論調査では日本人の89.7%が中国に悪い印象を持っているとの結果が出ていますが、経済的には中国依存が強く、11月の中国王毅外相訪日時には、『尖閣は日本領』の主張を放棄したうえ、自民党をあげて大歓迎していました。
日本もEUも経済的には中国頼りでも、政治的には中国を警戒しているのは同じですね。そして米国に頼って中国に対抗することも同じです。
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参考記事 *>s
<徳国之声>英媒:欧盟提案与美合作抗中
http*://bit.ly/2VgvAwx
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