ニューヨーク証券取引所(NYSE)は、中国人民解放軍との関係が疑われるため、チャイナモバイル(中国移動)、チャイナテレコム(中国電信)、チャイナユニコムHK(中国聯通香港)など中国の通信会社3社に対して上場廃止手続きを開始すると発表しました。
[1/6追記]1月4日に撤回されましたが、1月6日に再び上場廃止と発表されました。
アメリカに拠点を置く、世界中の華人向けメディアの世界新聞網の報道によりますと、NYSEは2020年12月31日に声明を発表し、中国移動、中国電信、中国聯通(香港)の株式の取引を2021年1月7日から1月11日まで停止し、これら3社の上場廃止手続きを開始したことを明らかにしました。
NYSEのコンプライアンス部門であるNYSEレギュレーションが、中国人民解放軍との関係が疑われる中国企業への米国人の投資を禁止するトランプ政権の執行命令を受け、中国の通信会社3社が上場に適さなくなったとの結論に達したとしています。
記事によれば、中国の通信会社3社はいずれも香港に追加上場しており、収益のすべてを中国で得ており、米国での事業はNYSEに上場している以外にはほとんどなく、米中の対立が激化している中で、NYSEの上場廃止は象徴的なものに過ぎないと指摘しています。
トランプ大統領は2020年11月に、中国人民解放軍の支配が疑われる中国企業への、米国の投資を禁止する行政命令に署名し、中国共産党や中国企業に圧力をかけました。
この命令を受け、すでに中国企業数社がS&Pダウ・ジョーンズ・グローバルなどの株価指数から削除されています。
米政府は中国の通信事業者への一連の取り締まりを強化しています。
米連邦通信委員会(FCC)は2020年5月に中国移動の米国内での営業を禁止し、12月には通信事業者に華為製の通信機器の撤去を求め、中国電信の米国内での営業を認めるかどうかの評価を始めています。
中国電信の米国部門は、米国に拠点を置く独立した事業体であり、中国政府に支配されていないとの見解を、昨年6月にFCCに対して示しています。
中国銀行保険監督管理委員会(CBIRC)は、2020年12月31日に公式サイトで、米国は国際法や国際関係の基本的な基準に違反して、一方的に中国の市民や法人に制裁措置を課しているとし、 このようなことは絶対ん認められないし、受け入れられないと声明を出しました。
CBIRCは、米国の制裁は中国と香港では法的効力はなく、金融機関が法律を遵守して業務を遂行し、香港や中国国民を含むすべての顧客に公正で質の高い金融サービスを提供できるよう、金融機関をしっかりと支援していくと述べています。
また、中国商務部は1月2日の記者会見で、このような国家安全保障の乱用と国家権力を利用した中国企業の弾圧は、市場のルールに沿わず、市場の論理に反するものであると述べました。
中国商務部はまた、中国企業の正当な権利と利益だけでなく、米国を含む各国の投資家の利益をも害するものであり、米国の資本市場に対するすべての関係者の信頼を著しく損なうものであると非難しました。
同時に、米国側と中国側が同じ方向に進み、両国の企業や投資家にとって公正で安定した予測可能なビジネス環境を構築し、二国間の経済貿易関係が早期に正しい軌道に戻ることを促進するために協力していくことを期待したいと締めくくりました。
私も中国が市場のルールに沿い、市場の論理を遵守して、企業や投資家にとって公正で安定した予測可能なビジネス環境を構築してくれる日が来ることを心待ちにしております。
[いっしょに読みたい記事]
参考記事 *>s
<世界新聞網>涉軍企 紐交所下架中3大電信巨頭
http*://bit.ly/38YI4PE
<中国新聞網>美国纽交所将三家中国企业摘牌 商务部回应
http*://bit.ly/3ompA2p