2021年の新年早々、台湾と中国大陸の関係当局は、両岸の関係について別々の声明を発表し、台湾大陸委員会は、「中華民国は主権国家であり、台湾は決して中華人民共和国の一部ではない」と強調しました。
アメリカに拠点を置く国際メディアの自由亜州電台(RFA)の報道によりますと、台湾大陸委員会は1日、「中華民国は主権国家であり、台湾は決して中華人民共和国の一部ではない」と強調しました。
台湾大陸委員会は続けて、台湾国民は非平和的で非民主的な行動に断固として反対しており、中国共産党の “一国二制度”を明確に拒絶していると指摘しました。
同日、中国国務院台湾事務弁公室の劉結一局長と中国大陸台湾海峡両岸関係協会(ARATS)張志軍・会長は念頭の挨拶で、台湾海峡を挟んでの平和を強調する一方で、「台湾独立」は「台湾に深い不幸をもたらすだけの絶望的な道」であると警告しました。
台湾大陸委員会は、中華民国の中国大陸(香港及び澳門を含む)に関する業務全般を担当する機関。
国務院台湾事務弁公室は、台湾との関係事務や関連する研究を扱う中華人民共和国国務院直属の事務機関
昨年12月29日に開催された両岸関係セミナーでは、中国全国台湾研究会の汪毅夫会長は、中国大陸の台湾に対する政策には、「一つの中国」の堅持、「92コンセンサス」の堅持など、揺るがない項目が含まれていると発言しています。
12月31日には中国共産党習近平総書台湾に関する「一つの中国」の原則と92コンセンサスを堅持し、台湾海峡の平和と安定を断固として維持すべきだと強調しました。
台湾大陸委員会は、中国共産党当局が最近、台湾に対する一方的な政治的主張を繰り返し公表しながら、軍事的・外交的な威嚇と弾圧、社会的な潜入と分断を継続的に利用して、意図的に両岸対立を作り出していると指摘しています。
『92コンセンサス』とは中華人民共和国と中華民国の当局間の「一つの中国の原則」問題に関する合意で、1992年に香港で協議を行ったため『92コンセンサス』と通称されます。
『一つの中国の原則』は共産党と国民党が『92コンセンサス』で合意した内容なのですが、共産党の主張は「一つの中国=中華人民共和国」であるのに対し、国民党は「一つの中国=中華民国」であるところが微妙に意味が異なります。
また、『92コンセンサス』は1992年当時もそれ以後も公表されたことがなく、台湾ではその存在の真偽が議論の対象となっていることが話をややこしくしており、国民党は『92コンセンサス』は存在するとの立場であり、民進党は存在しないという公式見解を出しています。
中国共産党は軍備拡張を続けていますが、これは「台湾武力侵攻」を狙ったのではなく、「北平モデル」を実施しようとしていると指摘する有識者もいます。
北平とは首都でない時の北京の呼称で、1949年1月に北平を実効支配していた国民党軍(後の台湾軍)が、圧倒的兵力で迫ってきた共産党人民解放軍を前に、和平解放の条件を受け入れて無血開城した故事に因んだものが「北平モデル」です。
年末年始を挟んで中国共産党高官が相次いで台湾統一の発言が続いているのも、アメリカが大統領選挙で混乱している隙を狙ったものかもしれません。
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参考記事 *>s
<自由亜州電台>新年伊始中国再提“统一台湾” 台陆委会:拒绝中共“一国两制”
http*://bit.ly/2MyIHbv