ペルシャ湾に展開する空母ニミッツ打撃群に、米本国への撤収命令が出たのは2021年元旦のことでした。それから2日後の1月3日になって国防総省は撤収命令を撤回し、ペルシャ湾に止まるように命令しました。
アメリカ合衆国政府が運営する国営放送である美国之音の報道によりますと、ミラー国防長官代行は2021年1月3日の声明で、「イランの指導者がトランプ大統領や他の米政府関係者に対して最近脅しを行なった。そのため私は空母ニミッツに命じた本国撤収を中止し、米中央司令部のある作戦区域に留まるように命令した。」と述べました。
国防総省は2021年1月1日に、当初の予定通りに空母ニミッツを中東から撤退させ、米国に戻すと発表していました。
しかし、イランのソレイマニ上級将校を殺害した2020年1月3日の米国のドローン攻撃から1周年を控えて、イランの最高指導者ハーメネイ師とイラン革防衛隊の高官は、米国へ報復攻撃すると脅しました。
同日1月3日には、イラクの首都バグダッドで、数万人の親イラン派デモ隊がスレイマニの一周忌を記念して行動しました。
先月12月20日には、イラクの米大使館付近にロケット弾8発が落下して1人が死亡し、大使館の建物も一部破壊される事件が起きました。この攻撃でアメリカ人に負傷者は出ませんでしたが、米国政府は過去10年で最悪の攻撃とし、イランが米国大使館襲撃の背後にいると非難しています。
このような背景からペルシャ湾に残ることになった空母ニミッツですが、昨年6月からインド太平洋地域に駐留しています。 空母打撃群の乗組員たちは、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、家族との再会ができていません。
空母ニミッツは、この期間の大半をペルシャ湾、北アラビア海、オマーン湾での任務に費やしていましたが、7月には南シナ海に入り、空母ドナルド・レーガンと連携した海上演習を実施し、地域の有事への対応力と戦闘警戒態勢の強化を図っていました。
ペルシャ湾では韓国船籍の石油タンカー1隻が、イラン革防衛隊に拿捕される事件が1月4日に起きています。日本の石油もペルシャ湾を通って運ばれてきます。他人事で済ませることではないことを、日本人も肝に銘じるべきでしょう。
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参考記事 *>s
<美国之音>五角大楼下令尼米兹号航母留守中东以应对伊朗威胁
http*://bit.ly/2L5jGUO