中国の2020年の出生数が1004万人で、前年よりも30%以上減少し、一人っ子政策の撤廃は出生数増加につながっていないことが明らかとなっています。中国人民政治協商会議全国委員会の鲁暁明氏は、男女の結婚年齢を18歳に引き下げることを提案しています。
中国の出生数の減少が止まりません。2016年にそれまでの一人っ子政策を撤廃し、2人っ子政策に移行しましたが、出生数減少に歯止めがかからず、2016年の1786万人から2020年は1004万人と4割以上の減少になりました。
急激な出生数減少に危機感を持った中国人民政治協商会議全国委員会の鲁暁明委員は、民法第1047条の規定を改正し、「婚姻年齢を18歳以上とする」と規定することを総会に提案すると語りました。
出生率の低下による少子高齢化は、日本が世界のトップを走っていますが、中国が急激に追い上げており、間もなく中国の高齢化率が日本を上回ると言われています。
鲁暁明委員の提案「結婚年齢を18歳に引き下げ」は、早く結婚して早く子供を産んでもらおうと考えてのことだと思いますが、果たしてうまくいくのでしょうか。
鲁暁明委員
現行民法では中国の結婚年齢は男女差があり、男性22歳、女性20歳と決められています。ところが実際の初婚年齢は江蘇省のデーターだと2017年は34.2歳(男性34.1歳、女性34.3歳)で、2012年の29.6歳から5年間で4.6歳も晩婚化しています。
他の省や市でも平均初婚年齢は30歳を超えており、民法で結婚年齢を18歳にしても効果があるとはとても思えません。(もっとも17歳と13歳の結婚式が開かれることもあるようですが)
中国でも結婚しない人や子供を作らない人が増えていますが、それには理由があります。
中国の風習で、男性は結婚する前に家を購入していることが要求されます。現代中国では地方都市であっても不動産価格は非常に高く、上海などの大都市では安くても数億円はかかります。よほどの資産家の息子でない限り家を購入することは不可能です。
30代以下の若い世代では、男性の人口が女性の人口よりも10~20%上回っていて、男性が結婚相手を見つけにくいことも、結婚を諦める一因ともなっているようです。
そのような狭き門を潜って結婚に漕ぎ着けたカップルも、子供はいらないまたは1人で十分と思っているカップルはとても多いです。
収入の5~8割が住宅ローンの返済に消えている上に、子供がいると養育費が大きな負担になるからです。出生から大学卒業までに最低でも82.5万元(約1380万円)必要とされるため、2人目の子供を欲しがらない夫婦が多くなっています。
[あわせて読みたい記事]
参考記事
<澎湃新闻>全国政协委员鲁晓明:建议男女结婚法定年龄降低至18岁
http*://bit.ly/3ek0A9J
<百度新聞>法定结婚年龄降至18岁?画面揪心又尴尬,我不敢想
http*://bit.ly/3rw0y2i
<腾讯网>法定结婚年龄降至18岁,政协委员建议引争议
http*://bit.ly/3qvqxp2