新疆ウイグル自治区での強制労働に反対して、200社以上の外国企業が新疆綿の不使用を表明する中で、新疆綿使用を微博(WeiBo)で公表したアシックスに非難が集中しました。アシックス本社は発言を否定したと米国メディアが報じました。
アメリカに拠点を置く中国語メディアの希望之声の報道から。
中国共産党は新疆ウイグル自治区のウイグル人などの少数民族の人権を迫害し、国際的な制裁を引き起こしており、昨年は200社以上の外国企業が新疆綿の購入を拒否したと発表しました。
最近この話が、中国共産党幹部によって蒸し返され、H&M、ナイキ、アディダス、プーマ、ユニクロ、インディなど多数の有名ブランドのボイコット運動が起こりました。
このような状況で、日本のスポーツ用品ブランドのアシックスが微博(WeiBo)で、新疆綿を含む原材料を中国各地から調達していることや新疆綿を支持する姿勢を表明しました。
アシックスの微博 現在は削除されている
中国国内では多くの人が転発(リツイート)して称賛し、中国メディアはアシックスへの支持を表明しました。
「アシックスは日本の国宝級ランニングシューズ」
「ベッカムやジダンなど世界のスーパースターがアシックスのギャロップを履いている」
「アシックスはナイキよりも歴史が長い」など、アシックスを称賛する投稿が大量に現れました。
これに対して、海外ではアシックスに対する批判の声が多く上がり、日本でもマスコミの扱いは小さいものの、SNSやYoutubeで多くの人が批判しました。
このような中で、事件は意外な展開を見せています。アシックスの日本本社は、中国の微博の問題発言は現地子会社が無許可で発言したもので、この問題に関する会社の公式見解を示すものではないと発表しました。
アシックス本社は、オリンピックのオーストラリアチームのユニホームに新疆綿を使用していないと語っていると、オーストラリアのメディアABCが報じています。
アシックス本社は28日午後に緊急会議を開き、「(Weibo上の)疑わしい声明は許可なく出されたものであり、この件に関する当社の公式見解を示すものではないことを明らかにした」と述べました。
アシックスが微博に投稿した発言は、同社の中国人従業員が投稿したものと思われ、本社の承認を受けていないとのことです。
しかし26日のHUFFPOSTでは、『声明は日本本社の了解を得て中国法人が出したものだという。』と報じており、どちらが正しいのか不明です。
また、先に微博で新疆綿支持の投稿をしたHugo Bossの投稿と表現が似ていることから、アシックスの中国人従業員が声明を作成したものと考えられるとしています。
投稿の最後には、アシックスは「一つの中国」の原則を守り、国家主権と領土保全を擁護すると述べており、かなり政治色の強い発言となっています。
最近は、日本のマスコミもウイグル人迫害を報じ、非難し始めています。
しかしアシックスの件はマスコミの扱いが小さいのが気になりますが、マスコミにとっては大きな広告主(スポンサー)なので、不利になるようなことは報じたくないのかもしれません。
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参考記事
<希望之声> 表态支持新疆棉?ASICS紧急澄清称误会
http*://bit.ly/3m2Y8pS
[アシックスについて報じる日本語記事]
<HUFFPOST>
<Business Journal>