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中国華南で電力が逼迫 広東省の工場では「開三停四(三日操業四日停止)」状態 オーストラリアいじめがブーメランに

中国メディアの報道によると、中国南部の電力網における電力需要が過去最高となり、南部の各省で電力供給の逼迫が続いています。 広東省の一部の地域では、週4日も作業を停止せざるを得ない状況もあり、工場の生産にも影響が出ています。

 

 

  中国南部の気候が暑くなってきた5月下旬、電力消費のピークを前に、広東省雲南省では電力供給が逼迫しています。

 

  5月中旬には電力不足を解決するために、ピークシフト(工場などの操業時間を電力需要のピーク時間からシフトさせ、電力供給網の負担軽減を図る政策)を実施していましたが、ここに来てそれでも電力供給が逼迫してきました。

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  広東省内の広い地域で、ピークシフトへの協力が要請され、休日振替によって土日を稼働日とする工場が相次いでいました。

 

  広東省の電力供給の逼迫状況は悪化の一途をたどり、電力制限の範囲が拡大しただけでなく、停電時間も長くなり、広州、佛山、汕頭、東莞、恵州、珠海、中山、潮州などの都市に影響を与えています。

 

  場所によっては週に4日工場が閉鎖され、工場の操業に悪影響が出ており、電力が正常に供給できる日に朝晩のシフトを組むことしかできないといいます。

 

  広東省東莞市は、同市の今年の電力需給が「危機的状況」にあり、「電力不足」に陥っていると発表し、年末までピークシフト対策が続く可能性が高いことを明らかにしました。

 

  広東省の一部の工場では「開三停四(三日操業四日停止)」状態となり、工場の操業に悪影響を及ぼしていると指摘しています。 注文に対応するために、一部のメーカーでは自家発電装置を稼働して電気を作っています。

 

  雲南省では、第2四半期(4-6月)に入っても、乾水期が続いていることと重なって、現地の電力供給能力が不足しており、雲南省の各地域の企業は、緊急時にはピーク時の電力供給を制限されるようになったという。 

 

  雲南省の企業では操業抑制・減産を行っており、黄リン、アルミニウム、セメントなどの製品の供給が逼迫しています。

 

  電力需給の逼迫原因について、広東電力交易センターの担当者は「毎年5月は、乾期から雨期に移行する変わり目の時期のため、水力発電による発電量が限られる。さらに発電所の設備のメンテナンスと補修工事のための停電がこの時期に集中するため、電力供給の余裕が年間で最も小さくなる時期です」と説明しています。

 

  しかし経済メディアである東方財富網は、オーストラリアの石炭を輸入禁止にして以来、石炭の供給が逼迫し、石炭価格が高止まりしており、石炭の供給不足が中国のエネルギー逼迫の原因の一つになっているのではないかと分析しています。

 

  昨年の冬、中国の多くの省では電力需給が逼迫して電力制限が行われ、多くの大都市では停電も発生しました。その後しばらくは電力供給は安定しましたが、半年も経たないうちに、電力制限が再び繰り返されています。

 

  オーストラリア産石炭の輸入禁止が、電力不足となってブーメランのように中国に突き刺さってしまったようです。

 

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参考記事

<中央通訊社>中国南方供 广有工厂被迫开三停四

http*://bit.ly/2TtTM0H

<東方財富網>内媒南方紧张 广已两周有工厂开三停四

http*://bit.ly/3vPwReP