ロシアの盟友である中国は、ロシアのウクライナ侵攻に対する最初の反応は著しく抑制的で、世界の多くの国が経済的・外交的にロシアを孤立させようとしている中で、ロシア政府への直接的な支援はほとんど行っていません。
米国国営メディアである美國之音の記事より。
中国外交部の華春瑩報道官は24日の記者会見で、「中国は最新の動向を注視している。我々はすべての関係者に自制を求め、事態が制御不能になることを回避するよう求める。」と述べています。
華春瑩報道官は、「すべての当事者が和平への扉を閉ざすことなく、これ以上状況をエスカレートさせないために、対話、協議、交渉に取り組み続けることを希望する」と述べました。
北京に駐在するある外国人外交官は、欧米の指導者たちが壊滅的な経済制裁を課している中で、華春瑩報道官がロシア政府に対してさらなる援助を約束しなかったことに驚いている、と感想を述べています。
2月8日、中ロ両国は中国向け小麦・大麦の販売に関する貿易協定を発表しました。
華春瑩報道官は記者会見で、ロシアの軍事作戦を侵略と呼ぶべきかどうかをめぐり、欧米のジャーナリストと意見が対立しました。
華春瑩報道官は、「侵略 の定義については、やはり現在のウクライナ情勢をどう見るかという原点に立ち返るべきでしょう。 ウクライナ問題は非常に複雑な歴史的背景と縦糸があり、今日のこの状況に進化しています。」と述べています。
中国国内の中露関係専門家は、『ロシアは欧米の侵略とウクライナのロシア系住民の虐待に反応しただけだ』というロシアのプーチン大統領の見解を支持しています。
中国社会科学院ロシア東欧・中央アジア研究所副研究員の楊進氏は、ロシアの軍事行動は、欧米のロシアに対する長年の圧力に対する反応であり、ロシアがこれ以上耐えられないというサインであるとの見方を示しています。
中国政府がジレンマに陥っているという指摘があります。 ロシアのウクライナ攻撃を支持したり正当化したりすることは、欧米諸国との政治的・貿易的関係を損ないかねないからです。
一方で、友好国や同盟国の側に立つ国だと思われたいという思いもあり、ロシアの大麦や小麦を購入する貿易協定を結んでいます。
プーチン大統領は2月4日に北京を訪問した際、中国の習近平国家主席とウクライナ侵攻の可能性について相談したと見られています。
この時、ウクライナへの攻撃がもたらす可能性のある課題を克服するための方法についても話し合われたと言われています。
同日、ロシアの国営石油会社ガスプロムが、極東ルートで中国にガスを供給する30年契約を締結したと発表しました。
これは、欧州がパイプライン「ノルドストリームII」の稼働を停止する決定を下す可能性に備えたものです。
このように、中国がロシアからガスや穀物を購入する契約を結んだことで、ロシアが欧米の経済制裁に効果なしと読んでウクライナ軍事侵攻に踏み切る後押しをしたことは間違い無いでしょう。
しかし中国の対応は先週まではロシアの側に立った発言が多かったのですが、トーンダウンしているのは何を意味しているのでしょうか?
中国はロシアが負けると思っているのかもしれません。
参考記事
<美國之音>中国对俄罗斯入侵乌克兰做出谨慎反应
http*://bit.ly/3M5Imap