米国政府はチップメーカーNvidiaとAMDに対し、ハイエンド人工知能(AI)チップの中国への出荷を禁止するよう求めました。この動きは、米国製チップに依存してきた中国の国有研究機関や一流大学を直撃するだけではなく、習近平の軍事近代化過程にも影響を与えることになるため、中国が反発しています。
米国に拠点を置き、中国、台湾、香港、マカオの政治、経済、社会、生活、金融などのニュースを世界中の華人向けに発信するメディアの世界新聞網の記事より。
米国メディアが過去2年間に公表された10件以上の中国政府の調達事例を調べたところ、清華大学は昨年10月にNvidiaのA100チップを4個搭載したAIスーパーコンピュータ2台を40万ドル以上をかけて調達しました。
中国科学院計算技術研究所、中国科学院大学もNvidiaのA100チップを搭載したサーバーなど、ハイテク機器を調達しています。
中国共産党中央軍事委員会が直接指導する中国人民解放軍の国防技術大学(NUDT)、広東省済南大学サイバーセキュリティ研究所や、山東省、河南省、重慶市など、省政府や市政府が支援する多くの研究機関や大学もNvidiaのA100チップを購入しています。
AIチップは民生用と軍事用の両方に使われる可能性があり、NvidiaやAMDのチップが無いと、中国企業が画像認識や音声認識などの高度なコンピューティング技術を開発できなくなる恐れがあると指摘されています。
AI技術はスマートフォンなどの民生用途によく使われていますが、軍事用途にも使われており、中国人民解放軍が衛星画像を解析して兵器や基地を見つけたり、デジタル通信をフィルタリングして情報収集したりなどに応用されています。
AIチップの不足の影響を受ける中国企業としては、バイドゥやアリババ、テンセントの他、センスタイムやメグビー(Megvii)、依図科技(Yitu)などが挙げられます。
中国商務部の束珏婷報道官は、「米国は輸出規制措置を乱用し、半導体関連品目の対中輸出を制限している。中国はこれに断固反対する。米国のやり方は公平競争の原則に反し、国際貿易ルールにも反している。中国企業の正当な権益を損なうだけでなく、米国企業の利益にも重大な影響を与え、世界のサプライチェーンの安定に打撃を与えている」と避難しています。
中国メディアは、「長期にわたる抑圧により、わが国も半導体の分野で多くの困難に遭遇してきましたが、過去を振り返ると私たちは何度もそのような困難を克服してきました。 中国人の中に生きる独特の不屈の精神と粘り強さで、アメリカの封鎖を破るのは時間の問題です。また、現在の状況から判断すると、今回は決して長くはありません。」と報じています。
中国メディアは続けて、「米国は中国と直接対峙する勇気がなく、おそらくそれは自国の力の衰退を自覚しているからです。中国はこれらの分野で間違いなく米国を凌駕するでしょう。」と読者を鼓舞しています。
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参考記事
<世界新聞網>美AI晶片禁令 重创中国大学科研
<百度新聞>美国玩不起,又搞了个新禁令,禁止英伟达和AMD向中国出口AI芯片