黄大仙の blog

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アイルランド、「違法」な中国警察署を閉鎖 カナダが追跡調査

中国は海外に「違法な警察署」を設置し、在外中国人に圧力をかけているとの疑惑を人権団体からかけられています。アイルランドは、オランダが開始した調査を受け、27日にダブリンにある「中国海外警察署」の閉鎖を命じ、カナダもこれに続きました。 中国はこの疑惑を否定しており、論争は続いています。

  ドイツ国営の国際放送事業体である徳国之声の記事より。

中国が海外に警察派出所を設置

  スペインに本部を置く国際人権団体「セイフガードディフェンダーズ」は、中国が海外に「海外警察派出所」を違法に設置したことを明らかにし、中国政府がそれらを使って海外の中国人反体制者に圧力をかけていると非難ました。

 

  アイルランド外務省は1027日、中国の海外警察署の活動を見直した結果、ダブリン市中心部にある中国警察署の閉鎖を命じました。

 

  「福州海外警察派出所」と呼ばれるこの機関は、今年初め、ダブリン市中心部のカペル通りに設立されたと伝えられています。福州は中国福建省省都で、 アイルランドの中国人コミュニティのかなりの割合が福州出身であるとのことです。

 

  アイルランド外務省が26日に発表した声明によると、中国当局福建省や福州市の関係者も、アイルランド外務省にダブリンでの局設置の許可を求めていませんでした。 そのため、アイルランド外務省関係者は中国大使館にこの件に関する懸念を表明していました。

 

  アイルランド外務省の報道官は、「アイルランドにおけるすべての外国の活動は、国際法および国内法の要件を遵守しなければならず、これに基づき、アイルランド外務省は中国大使館に対し、カペル通りの事務所を閉鎖して業務を停止するよう通知した 」と述べています。

 

  報道官は、中国大使館が 『事務所の活動は停止している 』ことを確認したと述べています。

 

  国際人権団体「セイフガードディフェンダーズ」は9月に発表した報告書で、中国政府が「5大陸の数十カ国」に海外警察の「派出所」を持っていることを明らかにしました。

 

  「海外110番:中国の国際犯罪に対する無秩序な戦い」と題されたこの報告書では、中国はいわゆる「海外110番」作戦を通じて、反体制派、汚職官僚など、また中国にいるその家族に対して、不正な方法、不適正手続きで容疑者の基本的人権を損なっていると述べています。 

 

  報告書によると、中国当局は「中国にいるターゲットの家族を追跡し、脅迫、嫌がらせ、拘留または投獄によって圧力をかける」などの戦術を用い、海外にいる容疑者を『説得』して中国に帰国させているようです。

 

  オランダ外務省は26日、中国がオランダに2つの違法な警察センターを設置したという情報を調査していると発表しました。オランダ、アイルランドに加え、カナダ警察も海外の「中国警察海外派出所」の捜査に乗り出しています。

 

  王立カナダ騎馬警察(Royal Canadian Mounted Police, 略称RCMP)27日、中国がカナダに「違法な海外警察署」を設置し、「在カナダ中国人への嫌がらせ」を行っているという報告を調査中であると発表しました。

 

  「RCMPはカナダに住む個人の安全に対する脅威を非常に深刻に受け止めており、外国がカナダのコミュニティや個人を脅迫したり危害を加えようとしている可能性があることを認識している」

 

  セイフガードディフェンダーズは、「多くの国がこのことについて調査を開始したことは喜ばしいことだ」と述べており、より多くの国がより広範囲で詳細な調査を実施し、その結果が「公開」されることを期待しています。

 

  また、セイフガードディフェンダーズは、「今後、各国が同様の事件を回避するために、より明確な規制や厳しい管理ができないか、法律を見直すとともに、潜在的な被害者が保護された形で問題の警察署を通報できるよう、専用回線などの仕組みを設けることを望んでいる」と述べています。

 

  在アイルランド中国大使館は、このような「海外の違法な警察派出所」という報道に対して、派出所は中国国民に対して、運転免許証の更新支援など「行政支援を行っているだけである」と述べています。

 

  中国外交部の毛寧報道官は27日の定例記者会見でこの件について問われ、「中国は国際法を厳守し、他国の司法主権を十分に尊重する」と答えています。

 

  また毛寧報道官は、アイルランド外務省がダブリンの警務局を閉鎖するよう命じたことに対し、「ダブリンの中国大使館はいかなる法執行活動にも関与しておらず、説得活動に関与した証拠もない」と述べています。

 

  カナダの中国大使館は、スタッフは地元のボランティアで、中国の警察ではないとしており、「これらの事務所のスタッフは、視力検査や運転免許証の更新などを支援する地元のボランティアであり、中国の警察ではなく、いかなる犯罪捜査や関連活動にも関与していない」と述べています。

 

  これに対し、セイフガードディフェンダーズは、中国の公式声明は「見え見えの嘘」であり、セイフガードディフェンダーズが発表した報告書の中で反論する事例が多数あることに加え、最近のスペインメディアの報道で、違法な治安活動が実際に「説得」して帰還させていることが確認されたと述べています。

 

  23日付のスペイン紙「エル・コレオ」は、中国外交部の無名の高官が同紙に対し、「2国間協力は非常に面倒だし、欧州各国は中国への容疑者引き渡しを嫌がる。裁きを受けるよう犯罪者に圧力をかけて何が悪いのか」と述べたと報じています。

 

  この無名の高官は、「このような行為は中国の法律では違法ではない」と主張していますが、中国が用いた方法は明らかに国際人権法に違反し、個々の国の主権を侵害しています。

参考記事

<徳国之声>爱尔兰关闭非法中国警局 加拿大跟进调查

https://bit.ly/3U3cLJw