黄大仙の blog

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ホンジュラスが台湾と断交し、中国と国交を樹立

ホンジュラス25日、数十年にわたる台湾との外交関係を断ち切ると発表し、中国は26日に、ホンジュラスと相互に承認し、即時発効で大使レベルの外交関係を確立すると発表しました。これに対して台湾は、中国が偽りの約束で台湾の友人を囮にし、台湾の外交空間を圧迫し、台湾人の感情を著しく傷つけ、両岸関係を悪化させたと非難しています。

  米国国営国際放送の美國之音の記事より。

中国とホンジュラスが国交樹立 レイナ・ホンジュラス外相(左)と秦剛外交部長

  中国とホンジュラスとの国交樹立の発表は、中国が台湾領有の主張を強め、米国との緊張が強まる中で行われました。これにより、台湾を国家承認しているのは13カ国となります。

 

  ホンジュラス外務省は声明で、「台湾は中国領土の不可欠な一部であり、本日付でホンジュラス政府は台湾に国交断絶を通告し、台湾とのいかなる公式関係や接触も確立しないことを約束した。中国政府は、中国全土を代表する唯一の合法的な政府である。」と述べています。

 

  中国外交部は26日に、秦剛外交部長とホンジュラスのレイナ外相が、両国間の外交関係を確立する共同コミュニケに署名し、相互承認と大使レベルの外交関係の確立を即効で実現したと発表しました。

 

  中国外交部は、「ホンジュラスが、世界には一つの中国しかなく、中華人民共和国政府が中国全体を代表する唯一の合法的な政府であり、台湾は中国領土の不可分の一部であることを認識した。台湾といかなる公式関係も持たず、いかなる公式交流も行わないことを約束した。」と述べています。

 

  台湾外交部の呉智燮外交部長は26日午前に記者会見で、「国家の主権と尊厳を守るため、ホンジュラス共和国との外交関係を即時終了し、二国間協力プログラムを完全に停止し、大使館、在サン・ペドロ・スーラ中華民国総領事館、技術団、電力団などの関係者を退避させ、在台湾ホンジュラス大使館の閉鎖を要請することを決定した」と述べました。

 

  呉智燮外交部長は、ホンジュラスが中国との国交交渉において、台湾の長年の援助と友好を無視したことに悲しみと遺憾の意を表明しながら、中国に対し、「偽りの約束で台湾の友人を誘惑し、外交空間を圧縮する行為を繰り返したことは、台湾の人々の感情を著しく傷つけ、両岸関係を逆方向に加速させた」と述べました。

 

  呉智燮外交部長は、「台湾は、中国の権威主義的な圧力や強要に屈することはない」と強調し、「友人や志を同じくする国々と積極的に力を合わせ、台湾の正当な国際的地位のために戦っていく」としています。

 

  呉智燮外交部長はまた、『中国の派手な約束で外交相手を誘いながらも、その約束を守らず、一部の被援助国を債務の泥沼に陥れる習慣』を批判し、中国の対外援助活動において「言っていることと、やっていることが違う」ことを世界に認識させるよう呼びかけました。

 

  独立派の蔡英文総統が20165月に就任して以来、ホンジュラスは台湾が失った9番目の外交国となります。

 

  ホンジュラスのシオマラ・カストロ大統領が中国との関係構築を指示し、先週末レイナ外相を中国に派遣して国交樹立を協議したことを受け、台湾外交部は強い不満を表明するため、駐ホンジュラスの大使を直ちに呼び戻すことを決定しました。

 

  ホンジュラスが台湾との国交を断絶することになった後、米国務省は、「ホンジュラスの台湾との国交断絶の決定は主権的なものなので干渉しないが、中国は外交的承認と引き換えに約束をするが、中国の約束はしばしば守られずに終わることを強調する必要がある」と述べました。

 

  米国務省の広報担当者は、「我々は、各国が台湾との関わりを拡大し、民主主義、良い統治、透明性、法の支配の遵守の側に立ち続けることを強く奨励する」と述べました。

 

  中国本土と台湾は、1949年に内戦で分断されて以来、国際的に外交的承認を求めて争っており、中国政府は「一つの中国」政策の外交的承認を得るために数十億ドルを費やしています。

 

  中国は、台湾を自国の省のひとつであり、国家間の外交関係を持つ権利はないと考えており、必要であれば武力で支配下に置くつもりでいます。 しかし、民主的に選ばれた台北の政府は、この見解を強く否定しています。

 

  台湾の残りのパートナーのほとんどは、カリブ海と南太平洋の島国とアフリカ南部のスワジランドとなりましたが、中国による台湾孤立化の行動にもかかわらず、台湾は100以上の国と強い非公式な関係を維持しています。

 

  米国は台湾と国交はありませんが、台湾がインド太平洋地域の重要なパートナーであることを常に主張しています。

 

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  台湾の蔡英文総統は29日から中米を歴訪し、途中米国にも訪問することになっており、中国の一連の動きは、そのタイミングに合わせた中国の牽制ともいえます。

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  中米や太平洋諸国では、台湾と断交して中国と国交を樹立する国が増えていますが、欧米は議員団を派遣して、台湾との関係を強化する動きがあり、台湾問題も国際的な関心事となっています。

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参考記事

<美國之音>洪都拉斯与台湾断交 同中国建交

https://bit.ly/3LP4mbS

 

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