香港大学金融学部の陳志武教授は、Initium Mediaとのインタビューの中で、中国経済の今後の成長ポイントは軍事産業と急所を押さえた産業だけだと指摘しています。
米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。
陳志武教授は、ゼロコロナが解除されてから4ヶ月が経過したが、中国経済の回復は予想より低いものであると分析しています。
「最も重要な理由は、中国の経済システム、行政管理、社会統治がここ数年で大きく変化したことで、 これらの変化により、民営企業や一般家庭は一気に将来の見通しが非常に不透明になり、市場関係者も経済に対する自信を失っています」
同時に陳志武教授は、現在の中国の輸出難と受注縮小についても言及しました。
「一方では、感染症のためにほとんどの国が十分に仕事ができなかった。感染症が鎮静化した現在、多くの受注が元に戻っていない。もう一方では、地政学の悪化が欧米と中国の多国籍企業に影響を与えており、中国の港湾では空のコンテナが山積みされている」
陳志武教授は続けて、「中国の不動産業は厳しさを増しており、爆発的な成長の段階は過ぎている。この分野は、地方政府にとって以前のように多くの収入をあげることはできず、地方債務は増加の一途をたどっている」と述べています。
陳志武教授は、不動産業や製造業が低迷する中、軍需産業や基幹産業が今後の中国経済の成長点になりうると強調しました。 地政学的な対立が高まり、戦争のリスクが高まると、戦争や防衛に関連する産業が新たな経済成長ポイントになると分析したのです。
陳志武教授は金融部門にも言及し、「今年の全国人民代表大会における金融システムの制度改革の目的は、主に金融部門に対する共産党中央政府の直接支配を強化することで、 今後、中国の金融部門の機能は、軍需産業への融資が増え、金融融資はもはや消費にではなく、国力の発展に重点を置くようになるだろう」と述べています。
++++++++++++++++++++++++++++
米国から半導体規制をかけられている中、低迷する中国経済の復興の起爆剤は軍需産業のようです。
参考記事
<自由亜州電台>陈志武:军工是未来增长点 中国经济将像前苏联