黄大仙の blog

何にでも首を突っ込みたがる好奇心旺盛なOJISANブログです。

カナダのトルドー首相、中国による金属リチウム生産への奴隷労働の利用を非難

カナダのジャスティン・トルドー首相は、中国での金属リチウム生産において「奴隷労働」が行われていると批判しました。

 

  米国国営国際放送の美國之音の記事より。

リチウムはEVに欠かせない重要物資です

  トルドー首相は、米国のシンクタンク外交問題研究所」が主催したイベントで、「中国は過去数十年にわたって『戦略的な選択』をした結果、今日、世界最大のリチウム生産国となった」と述べました。

 

  リチウムは、現在各国で生産されている電気自動車(EV)の中核部品の電池に欠かせない物質です。

 

  トルドー首相は、「カナダにも金属リチウムの大規模な埋蔵量があるが、カナダは奴隷労働を使用していないため、カナダで生産される金属リチウムはコストが高い」と述べています。

 

  トルドー首相は、「労働者には生活に必要な賃金を払っているし、セキュリティ対策や安全基準も設定している。環境汚染への配慮もしなくてはならないから」と述べています。

 

  カナダは昨年、特に中国からの主要鉱物への投資について、より厳格な政策を採用することを発表しました。

 

  新型コロナウイルスパンデミックの際、国際的なサプライチェーンは大きな打撃を受けました。

 

  トルドー首相は、「パンデミックから学んだことは、サプライチェーンに弾力性を持たせること、余裕を持たせること、信頼性を持たせることだ」と述べました。

 

  米国は以前から、中国が鉱業や建設などの産業で強制労働を利用していることを批判しており、昨年、新疆ウイグル自治区での強制労働を利用して生産された商品の輸入禁止に関する米国の法律が施行されました。

deepredrose.hatenablog.com

 

 

  英国のシェフィールド・ハラム大学が発表した報告書は、ほぼすべての自動車メーカーが強制労働によって生産された製品を使用している危険性が高いと指摘しています。

 

  昨年12月、全米自動車労働組合は、自動車メーカーに対し、サプライチェーン全体を中国の新疆ウイグル自治区から移転するよう要請しました。

 

  中国は、新疆ウイグル自治区での強制労働を否定しています。新疆ウイグル自治区は、世界が必要とするソーラーパネルに使用される材料の多くも生産しています。

 

  米国労働省は最近の報告書で、「中国企業コンゴ民主共和国のコバルト鉱山の大半を所有、運営、融資しており、我々の調査では、リチウム電池の製造に必要なコバルトが児童労働によって生産されていることがわかった 」と指摘しています。

 

  昨年11月、カナダは中国企業3社に対し、主要な鉱山投資プロジェクトからの撤退を命じました。中国は、カナダが国家安全保障を口実に国際ビジネスと市場ルールを損なっていると非難しています。

 

+++++++++++++++++++++++++++

  中国新疆ウイグル自治区の強制労働問題は、ジェノサイドと並んで重大人権問題として挙げられています。中国政府は認めていませんが。

deepredrose.hatenablog.com

 

  リチウムなどのレアアースを鉱石から精製する過程では、さまざまな環境汚染物質が排出されるため、欧米諸国は国内で精製しようとすると処理設備に莫大なコストがかかってしまいます。

 

  ところが新疆ウイグル自治区では、環境規制がゆるゆるな地域があって、レアアースの精製が盛んに行われています。中国以外で産出されたレアアース鉱石も、中国に輸出され、精製された後に出荷される事例が多いです。

 

  EVにのられる方々は、『EVは環境に優しい』と思う前に、心臓部のリチウム電池のリチウムを作る際に、莫大な環境汚染を引き起こしていることには思いを馳せてください。強制労働が疑われていることも。


 


 

参考記事

<美國之音>加拿大总理特鲁多谴责中国使用奴隶劳工生产金属锂

https://bit.ly/3LI4Lw7