米国メディアは、中国がキューバに新たな合同軍事訓練施設を設置する計画であることを明らかにしました。中国外交部は否定していますが、米国の高官は、中国に対して両国間の軍事通信路を回復するよう改めて要求していています。
米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。
米国のブリンケン国務長官が中国訪問を終えた6月20日、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は関係者の話として、中国とキューバがキューバの北海岸に新しい合同軍事訓練施設を設置するための協議を行っていると報じました。
これが実現すると、中国はフロリダ州沿岸からわずか100マイルの地点に軍隊を駐留させ、情報収集やその他の軍事作戦を実施することができるようになります。
報道によると、この交渉は話し合いが進んでいるが、まだ結論には至っていないとのことです。
ホワイトハウスの国家安全保障会議ジョン・カービー報道官は、20日の記者会見で、「中国がかなり以前からキューバとの関係を含め、西半球における影響力と情報収集能力の向上に努めてきたことは、秘密でも驚きでもない。米国が気づかなかったり、監視や対策を怠ったりしたわけではない」と述べました。
ジョン・カービー報道官は、「米国は自国の機密と国家安全保障を守るための措置を取り続ける」と付け加えました。
中国外交部の毛寧報道官は20日の定例記者会見で関連質問に答え、「ご指摘の状況は理解できない。関係者が相互信頼の増進と地域の平和で安定した発展に資することにもっとエネルギーを費やすことを望む」と否定しました。
ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、中国がキューバに新たな軍事訓練施設を建設しているという情報が、米国に警告を発しました。
バイデン政権はキューバ政府関係者と接触し、この計画の阻止を図るとともに、キューバがその主権の一部を譲り渡す可能性があるという懸念について見識を深めているとのことです。
米国政府関係者は、「この新しい軍事施設は、中国がキューバに恒久的な軍事的プレゼンスを確立し、電子盗聴を含む米国に対する情報収集活動を拡大する可能性のあるプラットフォームを提供する可能性がある」と述べています。
米国が最も心配しているのは、この計画施設が中国の「プロジェクト141」の一部であることです。 このプロジェクトは、10年以内に15の海外基地を設立し、中国軍の軍事基地と後方支援の世界ネットワークを拡大することを目的としているとされていますが、中国政府はこの計画の存在を一度も認めていません。
また、米国当局は、中国とキューバがすでにキューバで4つの盗聴局を共同運用していることを明らかにしています。米国政府は、中国が少なくとも2019年からキューバに情報収集施設を持っていることを公に確認しています。
米国にいる元中国海軍司令部参謀中佐の姚誠氏は、「スペースシャトルの打ち上げを含む米国の宇宙衛星の多くはフロリダにあるため、キューバは米国の宇宙活動を監視する上で非常に重要である。それはすべて宇宙戦争の必要性のためである」と述べています。
姚誠氏は、「中国がキューバに情報収集施設を設置することは、米国にとって大きな脅威となる」と強調し、「バイデン政権がこの件で警戒していることは間違いない。過去のキューバ・ミサイル危機のように、米国がどのように圧力をかけてくるかを見るようなものである」と述べています。
米国のシンクタンク、ハドソン研究所のアジア太平洋プログラム・ディレクター、パトリック・クローニン氏は、「中国が港湾や情報施設の世界ネットワークを拡大していることは以前から知られている。これは米中関係にとって良いことではないが、米国はキューバが中国と軍事訓練施設や情報施設を設立することを止められないことを恐れていると考えている」と述べています。
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米国のブリンケン国務長官が中国を訪問し、その直前にはイーロンマスク・テスラCEOや、ビルゲイツ・マイクロソフト創業者が中国を訪問するなど、米中冷戦の雪解けを妄想させる出来事が続きました。
しかし、ブリンケン国務長官が中国を離れると同時に、バイデン大統領が「習近平は独裁者」と発言したり、中国がキューバに軍事施設建設のニュースが流れたり、現実は一筋縄では行かないようです。
参考記事
<自由亜州電台>中国与古巴军事设施计划曝光 对美启动"新冷战"?