頼清徳・中華民国副総統がパラグアイに向かう途中に、トランジットのためにニューヨークを滞在します。頼副総統は慣例に従い、米国在台湾協会(AIT)のローラ・ローゼンバーガー会長と会談する予定です。米国は中国に対し、過剰反応しないよう呼びかけています。
米国に拠点を置き、中国、台湾、香港、マカオの政治、経済、社会、生活、金融などのニュースを世界中の華人向けに発信するメディアの世界新聞網の記事より。
来年の総統選挙で民進党から出馬する頼清徳副総統は、蔡英文総統の代理として南米パラグアイのサンティアゴ・ペニャ・パラシオス新大統領の就任式に出席するため、米国をトランジットします。
行きはニューヨーク、帰りはロサンゼルスに滞在し、公的行事では在米華僑との食事会のみが手配されています。ローラ・ローゼンバーガー会長と会談はロサンゼルスで行われる見込みとのことです。
・中国は海軍演習を実施
中国人民解放軍は、北京時間12日12時から14日16時まで、浙江省舟山市沖で軍事演習を実施しました。中国側は演習の詳細を明らかにしていませんが、発表の座標から、演習の範囲はあまり広くなく、場所は台北の北約500kmで、台湾軍の通常の哨戒範囲外です。
ロイター通信は、中国は今年4月、蔡英文総統の米国トランジットに対抗して行った軍事封鎖と同様の措置を取る可能性があると報じています。
国務省の報道官は、頼副総統の訪米中に東シナ海で中国人民解放軍が軍事作戦を展開したことに対し、「台湾トップの通過はいずれも個人的で非公式なものであり、目新しいものではない」「通過は米国の長年の慣行、非公式な米台関係の性質、米国の不変の『一つの中国』政策に沿ったものだ」と背景を説明しました。
国務省の報道官は、米国の台湾に対するアプローチは過去数十年、歴代政権によって一貫しており、米国は台湾関係法、米中コミュニケ、六つの保証に基づく長年の「一つの中国」政策をとっていること、米国は台湾海峡のどちら側による一方的な現状変更にも反対していること、米国は台湾の独立を支持していないこと、米国は両岸の意見の相違を平和的な方法で解決することを期待していることを述べました。
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今年の3月に蔡英文総統が中米歴訪のために、米国をトランジットでニューヨークに滞在した時には、中国国旗(五星紅旗)を持った抗議者たちがホテルの前に押しかけましたが、頼清徳副総統がニューヨークに到着した12日には、抗議者の姿はなかったようです。
米国側も中国に配慮した発言が目立ち、余計な衝突を避けようとしているようです。
参考記事
<世界新聞網>国务院:赖清德将依副总统过境惯例 会晤AIT主席