黄大仙の blog

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中国と香港、民事・商事事件の判決を相互承認・執行へ

129日、中国の最高人民法院香港特別行政区政府律政司(香港特別行政区政府の法律行政を管掌する官庁)は共同で、民事・商事事件における判決の相互承認・執行を即時実施することを発表しました。同日の香港高裁による中国恒大集団への生産命令の執行にも影響か?

  米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。

香港が中国に飲み込まれる?

  香港律政司は、このような取り決めにより、訴訟当事者が同じ紛争について中国本土と香港で別々に訴訟を起こす必要性が減り、裁判に伴うリスク、コスト、時間が軽減されると述べました。

 

  相互承認メカニズムが具体的にどのように実施されるかはまだ不明です。

 

  この点について、香港特別行政区政府の法務長官である林定国(ラム・ティンクォック)氏は、「国際社会が香港をより身近に感じられるようになり、香港の裁判所の判決が中国全土で承認・執行されるようになったことから、相互承認メカニズムは外国企業がビジネス紛争を解決するために香港を訪れるようになるだろう。」と述べ、「これは「一国二制度」の下で香港に生まれた利点だ。」と指摘しました。

 

  一方、香港当局は基本法23条に関する新しい一連の国家安全法制を導入する準備を進めていると報じています。

 

  中国政府の香港に対する統制を強めるこの法案は、スパイ対策関連法も対象とし、それによって外国企業に対する統制を拡大することになります。

 

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  香港基本法(憲法に相当)23条は、国家への反逆や国家の分裂、反乱の扇動などを禁じる条例を香港が「自ら」制定するよう義務付けています。

 

  これまでは市民の反対が根強く、政府は立法手続きを進めることができませんでしたが、香港政府トップの李家超行政長官は20231025日に行った施政報告(施政方針演説に相当)の中で、23条に基づく国家安全条例の制定を2024年のうちに完了させると明言しました。

 

  今回の民事・商事判決の相互承認によって、中国による統制がさらに強まり、昨年7月に執行された中国の改正反スパイ法が、香港でも執行されるようになると見られています。

 

  同じ29日には、香港高裁が中国恒大集団に精算命令を出していますが、中国国内でのこの命令の執行に影響するのか注目です。

参考記事

<自由亜州電台>中国和香港将相互认可并执行民商事案件判决

https://x.gd/6Ew71