黄大仙の blog

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中国の大卒者、学位が就職に役立たず

中国では、経済不況の影響で若者の雇用機会や将来性が閉ざされる中、就職に有利なスキルを身につけようと、大卒の若者が、一般的に大学より格下とされる専門学校に入学し直すケースが増えています。

  米国に拠点を置く中国語放送の希望之声の記事より。

中国では大卒でも就職できない

  広東嶺南職業技術学院は過去2年間に大卒以上の卒業生150人以上を入学させており、彼らは主にカウンセラー、公衆栄養士、健康管理士として入学しています。

 

  彼らのほとんどは北京、上海、広州、深圳で働きたいと考えており、より多くの技術的な証明書を取得することで、職探しの幅を広げることができると、同校の入学事務局の教師である何教師は語りました。

 

  何教師は、「これらの大学卒業生が『キャンパスへ戻る』ことを決意した理由は、第一に、これらの技術証明書を得るだけであれば、専門学校の方が相対的に安いこと、第二に、就職の見通し、ある分野の大学生は学歴はあるが、職業訓練や技術訓練が不足していることです。また、学歴と技能の両方を備えていれば、就職市場における大卒者の競争力はより高まる」と述べ、大卒者の「学校回帰」現象が徐々に増加するとの見方を示しました。

 

  人材斡旋業者の呉氏は、「新型コロナ流行後の中国経済の回復は弱く、ここ数カ月で給与は大幅に縮小している。」と明かしました。

 

  大学の資格の価値も下落し、一流重点大学の卒業生の初任給は、新型コロナ流行前の1万元(20万円)以上から6千元~7千元(1214万円)程度へと、少なくとも30%カットされており、また、かつては帰国子女として最も人気があった留学生でさえ、今は仕事を頼まれなくなっているといいます。

 

  最も打撃を受けているのは最下層の大卒者で、一流都市に就職できても一般的に月給は5000(10万円)に過ぎず、長江デルタ地帯であれば毎月の生活もままなりません。

 

  沿海都市にある大学の李という名の教師は、「人工知能(AI)やその他の陽の当たる、強い産業分野の研究をしている学生だけが就職できる可能性が高い。」と明かしています。

 

  李教師は、困難な就職活動と不満足な給与の状況の中で、裕福な家庭の卒業生の約20%が直接「寝そべる」ことを選択しているとみています。

deepredrose.hatenablog.com

 

  中国教育部によると、2023年の大学卒業者数は1158万人に達し、2022年と比べて82万人増加しました。国務院が発表した中国の若者(16歳から24)の最新の失業率は14.9%でした。

 

  報道によると、過去2年間で広東嶺南職業技術学院に学生が戻ってきただけでなく、ソフトウェア情報工学、鉄道情報技術、資源環境関連の職業訓練校も同様です。

 

  21世紀教育研究所の熊丙奇総裁は、景気低迷による若者の大量失業に加え、中国では「人材育成」と「社会的需要」の間に一定のミスマッチがあると指摘しています。

 

  熊丙奇総裁は、「一般教育を行うべき大学が、学生の就業能力育成を重視する『職業訓練機関』になっており、国の一流イノベーター育成に影響を与えている。地方の学部大学の中には、一般教育を行う大学を参考に学校運営を行っており、学問的人材を育成する総合大学になりたいと考えているところもある。 そのため、これらの教育機関の卒業生が就職する際に競争力を欠いている。」と述べています。

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  大卒として社会に出ても、スキルアップのために専門学校に入学し直すことは、立派なことだと思います。スキルアップの意思に年齢・学歴は関係ありませんので。

 

  高い若年失業率の原因を大学の教育内容のせいにするのは、お門違いとしか言いようがありません。皆さんはどう考えますか?

 


 

参考記事

<希望之声>学位无助就 中国大学毕业生「降级」重读职校

https://x.gd/diZ01