米商務省が7日に発表したデータによると、米国の対中貿易赤字は2010年以来の低水準に縮小しており、地政学的緊張が高まる中、米国の戦略的競争相手である中国への貿易依存度が大幅に低下したことを表しています。
米国議会の出資によって設立された短波ラジオ放送局の自由亜州電台の記事より。
米商務省が発表したデータによると、2023年の米国の対中貿易赤字は2790億ドルで、GDPに占める割合はわずか1%で、2002年以来の低水準となりました。
米国の対中貿易赤字が前年比で減少したのは、ドナルド・トランプ前米大統領時代に、中国に課された保護主義的措置に加え、バイデン政権が貿易の多様化を確保し、グローバル・サプライチェーンのリスク分散を図るため、地域の同盟国との協力に積極的に取り組んだためです。
一方、商務省のデータによれば、昨年、ドイツ、イタリア、オランダ、メキシコ、韓国、台湾、インドといった国々との貿易赤字は過去最高を記録しました。
商務省のデータによると、昨年、モノの輸入先では過去約20年間で首位を維持していた中国に代わり、メキシコがトップに浮上しました。
メキシコからの輸入額は約4756億ドルで、前年比で5%増を記録し、中国からの輸入額は約4272億ドルで、20%減でした。
米国のサービスも含めた貿易赤字は昨年、7734億ドルで、前年比では19%減少しました。赤字幅の減少の規模としては2009年以降では最大だったとのことです。
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先日、昨年の中国の輸出は7年ぶりに減少したと、中国税関総署が発表しましたが、米商務書からも中国の対米輸出が減少したことが発表され、中国の輸出が減少していることが裏付けられました。
信用できないと指摘される中国発表の統計データですが、貿易統計だけは相手国のデータがあるため粉飾が難しいと言われており、今回はそれが裏付けられました。
参考記事
<自由亜州電台>美国对中国贸易逆差到达2010年来最低水平