黄大仙の blog

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緊張高まる中印国境紛争 ついに巡航ミサイルが配備された。

 緊張が続く中国ーインド国境地帯。6月には中国インド両国軍が衝突し、石やこん棒を使った接近戦によって数十人の死者が出たことは覚えている人も多いのではないでしょうか。その後は中印紛争についての報道は激減していますが、中印の緊張は続いており、ついに巡航ミサイル配備のニュースが飛び込んできました。

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   中印国境紛争は日本ではあまり大きく扱われませんので、内容をうろ覚えの方もいらっしゃるでしょう。今年に入ってからの出来事を中心におさらいしておきます。

 

  中国とインドは数千キロに及ぶ国境で接しているので、国境を巡る争いはあちこちにあります。その中の一つラダック地区にあるガルワン渓谷で615日に起きた「肉体的紛争」(銃火器を使わない喧嘩)では、インド軍側に20名の死者が出たと報じられました。

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中印紛争ラダック地区

  中印国境紛争で死者が出たのは45年ぶりのことです。この紛争では中国側は犠牲者や負傷者を公表しませんでした。

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  その後はインドは各国に発注していた兵器の納入を早めたり、中国が総合格闘家を中心とする部隊を国境警備隊編入すると、インドは「殺し屋」突撃隊を国境警備隊編入するなど、両国の軍備拡張は着々と進んでいました。

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  9月に入ると中国インド双方が、相手側の軍が実行支配線を超えたとと避難し合うなど、緊張関係は全く緩むことはありませんでした。

 

  そのような中、緊張関係を一気に高める出来事が海外に拠点を置く中国語メディアで報じられました。それはインド軍が中印国境地帯であるラダック地区に巡航ミサイルを配備したというものです。

 

  配備された巡航ミサイルNIRBHAY(ニルベイ)長距離亜音速巡航ミサイルは射程距離が最大1000kmで、目標に対してステルス攻撃を行う能力を持っています。

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ニルベイ長距離亜音速巡航ミサイル 多維新聞より

 

  ニルベイ長距離亜音速巡航ミサイルは、インドの防衛研究開発機構(DRDO)によって開発され、7年間のテストののち、これが始めての実践配備になります。

 

  ニルベイ巡航ミサイルが目標としているのは、人民解放軍の戦車や歩兵戦闘車両だけでなく、チベットの飛行場やミサイル基地も標的としていると報じられていました。

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ラダック-チベット空港

  ミサイルが配備されたというラダック地区とチベット空港を地図で見ると、その距離は1300km以上ありました。ニルベイ巡航ミサイルの最大射程距離が1000kmなので届かないと思うのですが、何か方法があるのでしょうか?それともチベットには他にも軍用空港があるのでしょうか?地図からは見つけられませんでした。

 

  しかし中国軍は新疆やチベットに射程2000km巡航ミサイルを配備済みとの情報もあり、これだとインドの首都ニューデリーも射程に入っているため、インド軍は不利です。

 

  インド軍はこれ以外にもブラモス巡航ミサイルを配備していましたが、アカシュ中距離対空ミサイルも配備する予定だそうです。プラモスもアカシュも射程距離は数百km程度のため、中国の沿岸部までは届きません。

 

  インド側の軍備増強はまだ続くようですが、中印国境での勢力図はまだ中国人民解放軍の優位は変わらないようです。多分インドの狙いは局地的な睨み合いを続けることで、実際に火力を使った紛争を起こすつもりはないだろうと推測します。

 

  1950~60年代の中印国境紛争では、毛沢東人民解放軍が圧勝し、インド軍はボコボコにされて撤退しましたからね。

 

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参考資料

<rfi>印度边境布防巡航导弹目标锁解放军西藏机场导弹基地

ロリポップ!

https://bit.ly/3kXyQrj

 

<多維新聞>印度首次部署无畏巡航导弹 可打击西藏目标

エックスドメイン

https://bit.ly/3jh5WSP