黄大仙の blog

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中国の台湾武力侵攻が近いのか。台湾はどうすべきか。アメリカメディアの論評

  台湾海峡の緊張は日増しに高まっており、主に米中間の緊張関係の悪化はもちろんのこと、蔡英文総統と民進党の政治的思惑も影響しています。米国が政府高官を相次いで台湾を訪問させているうちに、中国共産党習近平総書記は、台湾統一を武力で完了させることを真剣に考え始めているとの論評が出始めました。

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   ニューヨークに拠点を置く中国語メディアの多維新聞に、習近平に武力統一の号令をかけるのを、台湾が必死になって求めているとする解説記事を掲載しました。

 

  記事によると、毛沢東時代には中国共産党が台湾解放を叫び、それに対抗するように、台湾の蒋介石は「本土への反撃」を呼びかけました。

 

  朝鮮戦争中国人民解放軍の兵力を、北朝鮮支援に振り向けたために、台湾侵攻のチャンスを逃し、さらにトルーマン米大統領による米第七艦隊の台湾海峡派遣により、中国共産党は台湾の武力解放する意志を一旦引きました。

 

  鄧小平の時代になると、台湾問題を武力で解決しないという政治的意志が強くなりました。鄧小平は両岸対立を交渉で終わらせ、毛沢東時代の「台湾解放」を「平和的統一」という新たな政策に置き換えることを提案しました。

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  鄧小平が提案した統一案は、台湾は高度な自治権を持つ中国の特別行政区になること、台湾独自の経済社会システムと他国との非政府関係を維持すること、台湾独自の軍備を維持すること、台湾の指導者が中国の中央政府の地位につくことでした。

 

  結果的にこの案は台湾に受け入れられることがなかったのですが、もし受け入れていたら、香港の事例が示すように、今頃は自治権もなく北京の中央政府直轄の省になっていたことでしょう。

 

  このような平和的統一政策は、鄧小平後の江沢民胡錦濤の時代にも続きました。

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  1991年のソビエト連邦の崩壊により、米国にとって中国の立場に変化が起こり、天安門事件もあり米国は中国への武器禁輸し、同時に台湾へは武器の販売を強化しました。

 

  それでも米中関係は、経済的協力を保ち発展してきました。2010年に日本を抜いて、世界第2位の経済大国になったのも、米国との良好な関係の賜物と言っても過言ではないでしょう。

 

  米国と並ぶ中国ですが、この頃はまだ韜光養晦の外交安保方針を保ち、台湾を脅すことはありませんでした。

 

  しかし節目が変わったのが、2012年の習近平国家主席就任でした。習近平も当初は台湾問題の平和的解決を主張していましたが、

 

  2014年に習近平は、台湾に向けて一国二制度を呼びかけました。しかし台湾の馬英九政権は激しく反発しました。

 

  2017年の中国共産党第十九次全国代表大会でも、台湾に対して「一国二制度」を呼びかけましたが、台湾の蔡英文政権の同意を得ることはできませんでした。

 

  台湾の態度に苛立った習近平は、20191月の「台湾同胞に告げる書」の発表40年を記念した式典の演説で、『武力行使を放棄しない』と宣言してしまいました。

 

  この発言は台湾社会だけでなく、国際社会でも反感と警戒を買ってしまいました。

 

  この発言が習近平の大失策だと言わざるを得ないのは、直前まで台湾の蔡英文総統の支持率はかなり低下していて、2020年の総統選挙では再戦は難しいとされていましたが、習近平のこの発言に反感を抱いた台湾国民は、台湾独立を訴えた蔡英文総統を支持し、中国との経済協力を重視する国民党の支持率が逆に落ちてしまったことです。

 

  2020年の台湾総統選挙では蔡英文総統が再選されましたが、中国共産党による武力統一への脅威は強まっています。

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  今年になって中国人民解放軍は、台湾海峡で軍事演習を繰り返し、中国軍機が台湾空域に侵入したり、台湾対岸の中国広東省福建省のミサイル基地の弾道ミサイルの増強をしています。

 

  それに対抗するかのように、アメリカ軍が航行の自由作戦で駆逐艦台湾海峡を通過させたり、台湾に18億ドルの武器売却を決めたりしました。

 

  アメリカ政府高官が相次いで台湾を訪問し、台湾を国家承認するような雰囲気まで出始めています。

 

  これに対して、中国共産党は人民日報に台湾武力信仰を匂わす記事を掲載したり、国民に非常食の備蓄を呼びかけるなど、戦争を準備しているかのような行動も起こしました。

 

  多維新聞の記事では、独立してアメリカの手先となるよりも、ここは習近平に武力侵攻を思いとどまってもらうように動くべきだとしています。

 

  アメリカのメディアにしては、あまりに弱気です。大統領選挙の混乱に乗じて侵攻されたら、米軍は助けにいけないと言う意味なのでしょうか?

 

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参考資料

 

<多維新聞>【武统迫近】社论|让习近平按下武统暂停键 才是台湾亟需的共

http*://bit.ly/2HJwFKa