新型コロナ流行を制圧した中国は、今年1月から10月までに都市部の雇用を合計1009万人創出し、予想を上回ったと発表しました。中国の景気回復は本物でしょうか。
フランスの国際メディアrfiが香港サウスチャイナモーニングを引用して報じたところによると、中国は今年1月から10月までに都市部の雇用を合計1009万人創出したと発表しました。
しかしあるエコノミストが、2億9000万人の出稼ぎ労働者が農村に戻り、都市部での仕事探しをあきらめたため、公式の数字には反映されなくなったことから、この数字は真の状況を反映していないと指摘しています。
中国は4月ごろから新型コロナ流行から回復し始め、失業率も低下していきました。10月の都市失業率は5.3%で、9月から0.1ポイント低下し、2019年末の新型コロナ流行前の状況と同様でした。
中国国家統計局は、雇用環境は安定しているとしていますが、回復のベースを疑問視する専門家もいます。
香港マッコリーのチーフエコノミストの胡偉俊は、田舎に戻ってきた2億9000万人の出稼ぎ労働者が都市での仕事探しをあきらめ、公式の数字に反映されなくなっているため、実際の雇用情勢は数字が示すよりも暗いと指摘しています。
胡偉俊は、「出稼ぎ労働者が都会の仕事を諦めて田舎に戻った場合、その地位は公的な数字には含まれなくなり、失業者とカウントされなくなる。出稼ぎ労働者が多く雇用されている外食産業を見てみると、実は雇用回復が非常に弱く、元に戻っていないことがわかる。」と述べています。
中国国家統計局の最新の報告書によると、10月の中国の外食産業の売上高は前年比0.8%増にとどまっています。
同報告書は、中国の景気回復は輸出と政府投資に牽引されているとし、「賃金や雇用の見通しを中心に、消費者部門や小売部門は依然として弱い状態が続いている」と述べています。
中国経済の状況は不透明なところが多いです。一方では今年のGDP成長率は4.9%成長と見込まれていたり、貿易額が大幅に増加したと伝えられたりしていますが、他方では大学新卒者の3分の2が就職先が見つからなかったり、失業対策で露店が推奨されたりしています。
景気が上向いているというニュースと、悪いというニュースが混在しているので混乱しますが、中国統計局のデータを信用すれば
鉱工業生産を見ると成長率は上昇を続けており、10月の生産額は前月比6.9%増、前年同期比2.2%増となっています。
欧米は新型コロナ流行の再発で再び経済が停滞しそうですし、日本も第3波に襲われ自粛モードに逆戻りしそうな状態で、景気回復が不透明な中で、中国の景気回復・経済成長は期待します。
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参考資料 *>s
<rfi>南早引述专家质疑中国城市就业数据
http*://bit.ly/3kBEU8l