新型コロナ流行によって引き起こされた経済不況からの急速な回復は、2021年に中国経済を9%の成長率に押し上げ、今後10年以内に世界最大の経済大国として米国を追い抜くことさえ可能であると、複数の国際アナリストは述べています。 しかし、アナリストは同時に、中国は2021年に国有企業改革と金融の分野で新たな課題に直面すると警告しています。
アメリカ合衆国政府が運営する国営放送の美国之音に、今後の中国経済の成長を分析する記事が掲載されました。
新型コロナの流行を世界に先駆けて制圧した後の、中国経済の急速な反発を受けて、英シンクタンクの経済・ビジネス研究センターは、従来予想よりも5年早く2028年には、中国が米国を抜いて世界最大の経済大国になると予測しています。
しかし、経済・ビジネス研究センターは、中国政府はは記録的な高水準の負債の懸念のために、新型コロナウイルスショック対策のためのいくつかの経済刺激策を破棄する可能性があるとも付け加えています。
野村證券など一部の証券会社は、中国の国内総生産(GDP)成長率が2021年に9%に達する可能性があると予測しています。 信用格付け会社フィッチ・レーティングスも、中国の2021年のGDP成長率見通しを8%に引き上げました。
しかし一方で、世界で唯一の成長経済国として2021年を迎えた中国だが、世界経済の脆弱さと米中の貿易紛争は2021年の成長に大きな課題を突きつけるだろうと分析するアナリストもいます。
中国は欧州連合(EU)との間で大規模な投資取引に調印したばかりだが、中国政府は同時に米国の技術支援を得るために、米国政府との関係改善を急務としています。
習近平が中国共産党総書記に就任して以来、共産党中央政府は経済の掌握を強化しており、イデオロギーは毛沢東思想へ回帰しているように見えます。
共産党中央政治局と中央経済工作会議が2021年経済に向けて打ち出したガイドラインは、無謀な資本拡大を違法化するもので、中国の国家市場監督管理総局反独占規制局は、テクノロジー大手による独占的な行動を止めることを目的とした規則案を公表しました。
昨年11月に、市場監督管理当局がジャック・マーのアント・グループの新規株式公開(IPO)の計画を拒否したときに起こり始めました。アントグループのIPOが成功すれば、世界最大の新規株式公開となる可能性がありました。
一方、中国の巨額の負債は、2021年の中国経済にダメージを与える可能性があると美国之音の記事は分析しています。
中国の債務比率が2020年に280%に達しており、中央政府の課題は、肥大化した国有企業の改革と安定性のバランスをどう取るか、過剰な金融レバレッジにどう対処するかであると記事では述べています。
これとは別に、国安法施行による香港民主主義弾圧や、チベット、ウイグル、内モンゴルでの人権侵害や、新型コロナでの情報隠蔽への世界的な非難などは、中国共産党の国際的なイメージを低下させる政治的要因となり、中国経済への逆風になると指摘されています。
中国経済の課題や逆風は多くあるようですが、逆境に負けずに成長を続け「2021年成長率9%」を達成し、2030年代には米国を抜いて世界一の経済大国に躍り出るのでしょうか。
それとも米英を中心とするファイブアイズとの経済戦争に敗北し、再び改革開放以前の発展途上国に戻ってしまうのでしょうか。今後も目が離せません。
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参考記事 *>s
<美国之音>分析: 中国经济2021年或增长9%,但面临逆风和新挑战
http*://bit.ly/3pOHbjx