米中ハイレベル戦略対話で、楊洁篪中国共産党政治局員は「米国には上から目線で中国に物を言う資格はない」「中国人はこれを食べない」と米国を非難し、中国国民から称賛されました。
3月18日から19日にかけて、米国アラスカ州安価れじで米中ハイレベル戦略対話が開催されました。
初日の会談は、冒頭から報道陣の前で激しい非難の応酬が繰り広げられる異例の展開となり、米国が断固とした対応を取る姿勢を示した一方、中国側は妥協するという幻想を捨てるよう警告しました。
中国共産党政治局員で中央委員会外事弁公室主任の楊洁篪は、「米国には上から目線で中国に物を言う資格はない」「中国人はこれを食べない」と米国を非難し、その厳しい姿勢は、中国国民やネットユーザーから称賛されました。
ネットユーザーの中には、「目が潤んでいる、長年耐えてきたが、この瞬間、私の国は強いと本当に信じている」と投稿する人もいました。
楊洁篪は、ブリンケン米国務長官をはじめとする米国代表に対して、「基本的な外交儀礼を守ってくれると思っていたが違った。」「あなた方には、中国の前で、強い立場で中国に話をする資格はない」と面と向かって叱責しました。
楊洁篪は、「米国には優越的な立場から中国と話をする資格はなく、中国人はこの種の話を食べない」と強調しました。
王毅国務委員兼外交部長は、「中国は米国からの『根拠のない非難』を決して受け入れない。米国が中国の内政に干渉することを完全に放棄するよう要求する。」と述べ、「米国のこの古い体質を是正すべきだ」と続けました。
楊洁篪のスピーチは16分間行われ、これ以外に
『米国には米国式民主主義があり、中国には中国式民主主義がある』
『米国は自分のことに気を配るべきで、トップが交代して未解決の国内問題を国際舞台に移すべきではない』
『対立は米国にとって良いことではない、我々中国はそれを乗り切ることができる』
など、通常の外交の場では見られない大言壮語が続きました。
この時のライブ映像が中国に放映されると、中国メディアが転載して称賛し、多くの国民に強い民族主義的感情を呼び起こしました。
中国メディアの中には、1901年に行われた清朝政府と欧米列強との間の義和団の乱の後処理の会談の写真と比較し、120年後の中国はもはや弱い中国ではなく、強大な国々を真っ直ぐに見つめ、自国の利益、さらには世界の利益を守っている存在だと誇らしげに報じていました。
会議風景
1901年の干支は辛丑で、今年2021年の干支も二回りして辛丑に当たります。
1901年の辛丑条約(しんちゅうじょうやく)の締結、北京議定書調印は、すでに進んでいた列強による半植民地化を決定的にし、1912年の清朝滅亡へとつながり、その後も国民党、共産党と各地軍閥の群雄割拠の分裂時代が続きました。
世界的には米中会談での非難の応酬は、米中対立の激化、2国間の緊張の激しさを露呈したと受け止められています。
しかし中国国内では、列強に蹂躙され弱体化した中国が、120年経って中華民族がかつての恥部を払拭して真に立ち上がり、今の中国は、虐められない覚悟と意志を持っているだけでなく、自国を守る強さも持っていることを示したと受け止められています。
楊洁篪の辛辣で強い発言は、力を見せつけることで、米国をはじめ西側列強が好き勝手にできる時代ではないことを示したと称賛されています。
米中会談が激しい非難の応酬で始まり、大した成果もなく、むしろ対立が深まったと見る向きもありますが、楊洁篪の発言は、習近平や中国国内世論を意識した発言であることは明白です。
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参考記事
<百度新聞>辛丑巨变:“中国人不吃这一套”的硬气从何而来
http*://bit.ly/38OVGxU
<世界新聞網>「中国人不吃这一套」 杨洁篪强硬表态 网民感动:祖国强了
http*://bit.ly/38OVGxU