チベット亡命政府の最高政治指導者のペンパ・ツェリン氏は、中国共産党によるチベット自治区での「文化的虐殺」に抗議し、2022北京冬季オリンピックをボイコットするように国際社会に呼びかけました。
ペンパ・ツェリンは、今月14日に前任者のロブサン・センゲに代わり、チベット亡命政府の政治的トップであるチベット人行政中央第16代噶厦司政に選出されたばかりです。
ペンパ・ツェリンは、チベット亡命政府は中国との平和的解決を目指しているが、昨今の中国政府の政策はチベットの文化を脅かしていると語っています。
ペンパ・ツェリンは30年間政治の世界に身を置き、チベット亡命議会議長を経て、チベット人行政中央の噶厦司政に選ばれました。 彼は、「チベットの文化が一掃されて仕舞えば、どんな闘争も無意味になる 」と述べています。
人権団体によると、中国政府は宗教、言語教育、労働に対して厳しい規制を採用し、漢民族のチベットへの移住を促しています。
ペンパ・ツェリンは、「多数民族が少数民族を完全に圧倒することは、文化的ジェノサイドであり、特にその圧迫が国家権力によって強制される場合はそうです」と述べています。
中国政府は、ウイグル人ジェノサイドと同様に、チベット人の人権侵害を否定しています。 中国政府の開発政策によってチベット地域の絶対的な貧困が解消されたとし、地域のすべての人々に受け入れられていると主張しています。
1950年に中国共産党人民解放軍がチベットに武力侵略し、併合しました。中国国内ではこの事件を「チベットの平和的な解放」と自称しています。
中国共産党によるチベット占領後も、チベット人の精神的指導者ダライ・ラマは健在でしたが、中国共産党による宗教の排撃や、漢民族の大量入植によってチベット人との軋轢が生まれ、1959年にチベット武装蜂起が勃発しました。
ダライ・ラマのチベット軍は、中国人民解放軍に比べて数が著しく劣り、武装も貧弱だったため、数日で鎮圧されてしまいましたが、ダライ・ラマと彼を慕うチベット人がインドへ逃れ、チベット亡命政府の樹立を宣言しました。亡命チベット人の数は15万人に及びます。
現在チベットへの入国は中国政府から厳しく制限されており、 外国の外交官やジャーナリストなどの外国人は、中国政府の許可を得て、公式の管理が厳しいツアーに参加しない限り、チベットに入ることはできません。
ペンパ・ツェリンは、中国政府によるこのような行為に対して人々が今すぐ行動を起こさなければ、中国がすべてを奪ってしまうと強調し、 これを止めなければならないと述べています。
欧米諸国ではチベット問題にも目を向けてはじめており、新疆ウイグルや内モンゴルの人権問題とともに、中国政府を糾弾する動きは大きくなっています。
日本ではマスコミも政財界も中国の人権問題には無関心ですが、中国政府は台湾、沖縄や北海道にも食指を伸ばしてきていますから、日本も他人事ではありません。
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参考記事 *>s
<美國之音>流亡藏人领导人呼吁国际社会阻止中共对西藏的文化灭绝
http*://bit.ly/3hNEZrS
<rfi>流亡藏人选出新领导人,西藏前途认知不同仍是挑战
http*://bit.ly/3oLyI1f