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中国はリトアニアの「台湾事務所」の名称に激怒 大使召喚し国交断絶も辞さないと脅す リトアニアは屈せず

すでに悪化している中国とリトアニアとの二国間関係が再びエスカレートしました。中国政府は駐リトアニア大使の召喚を発表すると同時に、リトアニア政府に対しても北京の大使を召喚するよう要求しました。

  ドイツ国営の国際メディア徳国之声の記事より。

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リトアニアの首都ヴィリニュス ここに「台湾」事務所が設置されます

  リトアニア政府は最近、台湾当局が『台湾』の名で『駐在員事務所』を設置することを認めると発表しました。

 

  中国外交部のウェブサイトに掲載された声明によると、リトアニア政府の行動に対抗して、大使の召喚を決定したと述べています。

 

  中国外交部は、この動きが中国リトアニア両国の外交関係樹立に関するコミュニケの精神を明らかに侵害し、中国の主権と領土保全を著しく損なうものだと主張しています。

 

  中国外交部は声明の中で、「祖国の統一を達成するという中国政府と人民の決意は揺らぐことはなく、国家主権と領土保全を守るというレッドラインに触れることはできない」と強調しています。

 

 

  リトアニアと台湾は7月に相次いで、お互い相手国に駐在員事務所を開設すると発表しました。

 

  まず71日にリトアニア政府は、台湾に駐在員事務所を開設することを正式に発表しました。開設は10月か11月になります。

 

  それから3週間後の720日には、台湾政府がリトアニアの首都ヴィリニュスに「駐リトアニア台湾代表事務所」を開設すると発表しました。

 

  ここで注目すべきは、国名に『台湾』の名が冠されていることです。従来では、例えばドイツでは対応するオフィスの正式名称は「駐ドイツ台北駐在員事務所」のように、『台北』を冠するのが通例でした。

 

  このことは、リトアニアが台湾を国家として認めたということだと、中国政府は認識し、反発しました。

 

  昨年10月の総選挙で政権を握った、リトアニア現政権は、台湾との政治·経済関係を促進する方針を打ち出し、その過程で北京との関係を犠牲にすることを恐れませんでした。

 

  5月に、リトアニアのランズベルギス外相は、中国と中東欧諸国17カ国との経済協力枠組み「171」からの脱退を表明し、中国との関係は悪化の一途をたどっていました。

 

  29日に開かれた、中国の習近平国家主席が議長を務める17+1首脳会議に、リトアニアは閣僚のみを派遣し、他国のように大統領や首相は参加しませんでした。

 

  また、5月にはリトアニア議会は5分の3の賛成で、中国の少数民族ウイグル人に対する扱いを「ジェノサイド」と定義することを決議し、中国政府を非難しました。

 

 

  リトアニア政府は622日に、アストラゼネカ社のワクチン2万回分を台湾に寄贈すると発表し、台湾の蔡英文総統もフェイスブックリトアニア語で感謝の気持ちを伝えています。

 

 

  中国共産党機関紙「人民日報」系列紙の環球時報は、今回の大使引き揚げの動きは中国の外交史上まれなことであり、リトアニアが中国の核心的な利益を害したことを示している。今後もリトアニアが中国に挑戦する動きを続ければ、両国の外交関係が壊れる可能性も否定できないとしています。 

 

  中国の大使召喚という強い威嚇に対し、リトアニア外務省は「中国の動きを遺憾に思う」としながらも、「台湾との互恵的な関係を発展させる決意」を強調しています。

 

  リトアニアは人口300万人にも満たない東欧の「小国」ですが、大国中国に怯むことなく立ち向かっています。

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リトアニアは東欧バルト海沿岸の小国

 

[あわせて読みたい記事]

deepredrose.hatenablog.com

 

参考記事

<rfi>中国怒怼立陶宛欲设台湾办事处 官方学者威胁不排除断交 立陶宛只回应遗憾

http*://bit.ly/3s8iNMd

<徳国之声>中国召回驻立陶宛大使

http*://bit.ly/2VJgnYK