中国共産党統計局が16日に発表した、7月の経済活動に関するデータによりますと、経済トロイカ(消費、投資、輸出入の成長率)は前月に引き続き低下傾向にあり、同時に減速しています。
米国に拠点を置く中国語メディアの希望之声の記事より。
中国共産党統計局が発表した、7月の全国一定規模(年間営業收入2000万元(約3億4千万円)以上)企業の工業付加価値は、前年同月比で6.4%増となりました。
これはロイターの調査で推定された中央値7.8%を大きく下回り、昨年8月の5.6%以来の低水準でした。
7月の消費財小売総額は、前年同月比8.5%増の3兆4,925億人民元(約59兆円)となり、ロイターの調査で推定された11.5%を大幅に下回り、年初来の最低水準となりました。
1月から7月までの固定資産投資(農家を除く)は30兆2,533億人民元(約508兆円)で、前年同期比10.3%増と今年最低の水準となりました。
分野別では、インフラ投資が前年同期比4.6%増、1~6月に比べて1.5ポイント減少、製造業が前年同期比17.3%増、1~6月に比べて1.1ポイント増加、不動産開発投資が前年同期比12.7%増、1~6月に比べて0.2ポイント減少しました。
輸出入面では、中国の輸出入総額は下半期に入って急速に減少し、7月には前年同期比11.5%増の3兆2,657億元(約55兆円)で、6月に比べて10.5ポイント減少しました。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、中国の輸出依存度の高い沿岸地域で、デルタ変異株が最近発生したことにより、輸出企業が既存顧客へのサービスや新規顧客の開拓を行うことが難しくなっていると報じています。
広東省に拠点を置く高級オーダーメイド家具メーカーの森源家具グループは、米国、日本、中東、東南アジアの5つ星ホテルなどの家具を生産しています。
森源家具グループで海外を担当しているWei Wei氏によると、同社は現地訪問に依存しているため、長期の海外渡航制限に特に大きな影響を受け、直接顧客を訪問できないと、新規顧客の獲得はおろか、ビジネスを行うことも難しいといいます。
あるエコノミストは、共産党政府がIT企業や私立教育の分野を見直し、多くの失業者を出していることが、個人消費を鈍らせるもう一つの要因となっているのではないかと述べています。
中国共産党統計局が発表した経済指標を受けて、澳新銀行(ANZ)社は中国の通年のGDP成長率予測を8.8%から8.3%に引き下げました。
これは、7月の国内活動が全面的に鈍化し、経済が急速に勢いを失っていることを示しているためです。
開元証券のチーフエコノミストである趙偉氏は、「中国経済の下降傾向は非常にはっきりしており、不動産と輸出という2つの主要な原動力の弱体化のもとで、第4四半期に経済の後退が加速するリスクや、年内に市場が過小評価される潜在的なリスクに注意する必要がある。」と述べています。
BUPA Capital Management社のチーフエコノミストである張智威氏は、「 財政政策の支援がなければ、第4四半期のGDP成長率は3-4%、あるいはそれ以下に落ち込む可能性があります。」と述べています。
中国での新型コロナデルタ株の蔓延、洪水被害、共産党政府によるIT企業への締め付け、教育産業への締め付けが、経済成長へも影響を及ぼしているようです。
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参考記事
<希望之声>中国经济三驾马车同时减速
http*://bit.ly/3xXtpPs
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