ハリス米副大統領は、短期間の東南アジア訪問を開始しました。 東南アジアで影響力を拡大する中国をけん制するのが狙いで、安全保障や新型コロナウイルス対策を協議します。
米国政府が運営する国営メディアの美國之音の記事より。
22日に最初の訪問地であるシンガポールに到着したハリス副大統領は、23日にはシンガポールのリー・シェンロン(李顕竜)首相と会談しました。
会談後の共同記者会見でハリス副大統領は、「米国は同盟国と協力して、ルールに基づく国際秩序と南シナ海などでの航行の自由を支援する」と力説しました。
ハリス副大統領は、「私がここにいるのは、米国がグローバルリーダーであり、その役割を真剣に受け止めているからだ 」と強調しました。
会談では、気候変動の危機、新型コロナ流行を終息させるための協力の必要性、今後の同様の疫病発生を防ぐための協力などが話し合われました。
シンガポールは、米国が進めるアフガニスタンからの撤退活動を支援するため、空軍機を参加させます。
会談後ハリス副大統領は、チャンギ海軍基地を訪問し、同基地に停泊中の沿岸海域戦闘艦USSタルサを視察しました。
シンガポール訪問後、ハリス副大統領は、24~26日の日程で米副大統領として初めてベトナムを訪問します。
米国政府は、南シナ海に覇権を広げる中国に対抗するために、東南アジア諸国の支持を固めようとしています。
オースティン国防長官は、今年7月にシンガポール、ベトナム、フィリピンの3カ国を訪問し、 ブリンケン国務長官は、8月上旬に開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国による年次首脳会議にビデオメッセージで出席しました。
アフガニスタン撤退で、米軍には兵力の余裕ができました。アフガニスタンのタリバン政権支援を中国に押し付けることで、中国は経済力も軍事力も西に向けなくてはならなくなり、西ではインドとの対峙も継続しています。
タリバンはウイグル人と同じイスラム教スンニ派なので、扱い方を間違えると東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)独立運動に火がつきかねず、中国はタリバンに慎重かつ大胆に支援せざるを得ません。
結果的に中国が台湾、東シナ海、南シナ海に振り向ける軍事力・経済力が弱まることになります。
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参考記事
<美國之音>美国副总统哈里斯访问新加坡 强调南中国海航行自由
http*://bit.ly/2WaSOYF
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